そのどちらの場面でも、浦和の強度が勝ったことが得点に至った一因となった。川崎Fとしては、「水を漏らさない、スキを与えない」(谷口 彰悟)だけでなく、「自分たちらしく、強気で勝ちにいきたい」(鬼木 達監督)試合となる。
リベンジという意味も内包しているが、川崎Fらしく攻撃で圧倒して押し込み、守備では前線から激しくプレッシャーを掛けること。ホーム・等々力陸上競技場でハーフコートゲームを狙う意図がある。
ただ、川崎Fも浦和も簡単な状況にはない。厳しい5連戦の4試合目で疲労がたまっているだけでなく、川崎Fは負傷者、それに新型コロナウイルス感染症の影響で全員での準備がかなっていない。
ただ台所事情に関しては、浦和のほうが深刻か。明本 考浩は退場処分による出場停止から明けるものの、今度は中盤のキーマンである岩尾 憲が直近の明治安田J1第2節・G大阪戦でレッドカードを受けてしまった。2月12日の試合では岩尾が中盤でゲームコントロールをしたことも浦和の勝因となっており、彼の不在は大きく影を落とすことになりかねない。
リーグ戦3試合を終えていまだ勝利をつかめていないだけに、川崎Fの連続撃破を狙いたいところだが……。その意味でも、川崎Fが強調している“球際の強さ”、“粘り強く戦う”というのは、浦和にとってもテーマの1つになるだろう。
川崎Fの鬼木監督は、「鹿島戦と同じく、どれだけアクションを起こせるかに尽きる」と話していた。直近の第2節・鹿島戦では、その3日前の第9節・横浜FM戦で喫した2-4というショッキングな敗戦から立て直し、素晴らしい試合を見せた。「強調したのは気持ちの部分だった」と鬼木監督。いくら疲労がたまっていようと、運動量や球際の強さで負けないこと。受け身にならないこと。「気持ちで多くのことが変わると思って、ずっと指導してきた」という指揮官の信念がチームに乗り移ったかのようだった。
この浦和戦でも、まずは自分たちのやるべきことをやって相手を上回ることを狙う。ただ、テンションの高い試合を続けてできるかどうかというのは焦点の1つになるだろう。全員で出し惜しみすることなく序盤から相手を呑み込んでいけるか。もちろん、試合途中でその出力をコントロールすることはあるはず。ボールを回すことで、相手を走らせるというプレーを選択するかもしれない。はたまた、相手に押し込まれて守備を固めることもあるかもしれない。そうしたことは“最優先”ではないとチームは確認している様子。
どんなメンバー選考になろうとも、最大出力で浦和を倒しにかかる姿が、序盤から見られるはずだ。
それを浦和ははね返せるか。そこも見どころになる。注目の“リターンマッチ”だ。
[ 文:田中 直希 ]


