プライムラウンド準決勝第2戦。Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsuでは、川崎Fと新潟が決勝進出を懸けて激突する。
第1戦はホームの新潟が4-1で大勝。第1戦の12日前に行われた明治安田J1第32節で川崎Fに1-5で敗れたあと、多くの選手が「ルヴァンカップで借りを返す」と話し、松橋 力蔵監督も「前回のリーグ戦の借りを絶対に返す。そのつもりでやってくれ」と選手に発破をかけた。選手たちはその気持ちをプレーにぶつけるように第1戦を制し、クラブ史上初の決勝進出に向けて大きく前進した。
しかし、リベンジを果たせたとは考えていない。完遂するのはあくまで2戦合計で勝利したとき。
「リーグ戦と同じスコアにするにはまだ1点足りないし、やり返すなら2点足りない」 松橋監督は第1戦の大勝にもまるで満足していない。5失点の屈辱は相当だったことが分かるが、その言葉が選手たちに与えるのは第1戦を制した安堵感ではなく、第2戦も全力で臨もうとする飢えだろう。「アドバンテージだと思ったら危険」(松橋監督)という思いも持ちながら、逃げ切るのではなく勝ち抜く気持ちでアウェイに乗り込む。
第1戦を終え、今度はひっくり返す立場になった川崎F。3点差は決して小さくないビハインドだが、第1戦の前の松橋監督のように、鬼木 達監督も第1戦の直後から選手たちに発破をかけていた。
「第2戦でひっくり返すための準備をこの瞬間からしていこう」 5-1で勝利したリーグ戦も、1-4で敗れた第1戦もフル出場した三浦 颯太は、「そのための準備を全員ができている」とした上で、「全員が全員、本気でひっくり返しにいくという気持ちを持った上で取り組んでいかなければいけない」と力を込めた。
まず3点差を追いつくために、そしてできれば90分以内で4点差をつけて勝つために、普段よりも「もっと攻撃的なサッカーをしなければいけない」(三浦)ことは間違いない。ただ、同時に失点も避けなければならない。先に失点を喫してしまえば返さなければいけないのは最低でも4点になる。点を重ねても失点を喫するたびに1つ前の得点が無駄になり、逆転への意欲が削がれてしまうだろう。
「点を取りにいくのはもちろんですけど、失点は一番しちゃいけないと話しているので、リスク管理もしっかりやりつつ、攻撃サッカーもやらなければいけない」。それはかなりハードなタスクではあるが、ホームゲームで「ファン・サポーターの皆さんと一緒に一体となって戦いたい」、「大勢の前でこの点差をひっくり返すところを見せたい」(いずれも三浦)と強い意気込みで臨む。
第1戦では気持ちの面で相手に上回られたことを鬼木監督も認めたが、三浦はあらためて「今まで以上に出さなければいけない」と主張する。新潟も当然、気持ちの面でも負けるつもりはないだろう。タイトルに向けた戦いは相当に熱く、激しいプレーの連続となりそうだ。
[ 文:菊地 正典 ]


