就任2年目の林 健太郎監督は昨季と同じく、最終ラインからのビルドアップとボール保持を戦術の軸に据えた上で、昨季リーグワースト2位の65失点を喫した守備の立て直しを目指してスタートを切ったが、5試合で1得点7失点と結果が出ていない。沼津に0-3で敗れた開幕戦は、前半は多くのチャンスを作り、あとはフィニッシュだけという期待を抱かせた。しかし第2節・高知戦以降は尻すぼみで良い形を作れず、得点以前にチャンスの数が減っている。
一方の京都はJ1第6節を終えて2勝2分2敗で11位。岡山との開幕戦で敗れたあと、第2節・浦和戦と第3節・神戸戦は先制しながらも追いつかれて1-1の引き分けと序盤は苦しんだが、第4節・川崎F戦で初勝利を挙げ、直近の第6節・清水戦で2勝目と少しずつ勝点を伸ばしている。
昨季の前半戦は最下位を経験するなど苦しみながらも、後半戦の第20節・柏戦以降は9勝6分4敗と調子を上げ、14位で残留を果たした。曺 貴裁監督の就任5年目、J1では4年目となる今季は、2022年のJ1復帰以降達成できていない1ケタ順位など、これまで以上の飛躍を目指している。
両者の戦術を比較すると、鳥取が前述のようにビルドアップとボール保持で攻略を狙うのに対し、京都は前線から激しくプレッシャーを掛け、ボール奪取後は素早く相手ゴールを目指す。CBの永野 修都、ボランチの普光院 誠などが中心となる鳥取のパス回しが、京都の3トップと中盤が連動するプレスをどうかいくぐれるかが勝敗を分けるポイントの1つだろう。
鳥取は今季、昨季以上に自陣ゴール前でパスをつなぐプレーが増えているが、奪われてピンチに直結することも多い。J3では失点につながらないケースもあるが、京都は清水戦で相手陣でのボール奪取から一気に攻め込んでPK獲得と2点目のゴールにつなげている。同じような形になれば失点の可能性はJ3以上に高くなるはずだ。
もう1つのポイントは両者の選手起用。鳥取は京都戦から3日後の23日に岐阜とのJ3第6節が控えている。17位と順位の近い相手と対峙するホームゲームは、立て直しを図りたい重要な一戦。どの試合でも勝利を目指すのは当然として、いち早く下位から抜け出すためにも、より注力しなければならないのがリーグ戦であることは明白だ。主力を起用するのか、休ませるのか、林 健太郎監督の判断に注目が集まる。
京都は次の公式戦が29日となるため、主力を起用しやすい状況だが、J3クラブとの戦いはリーグ戦で出場機会が少ない選手を起用できるチャンスでもある。ただ、昨季のルヴァンカップは初戦の1stラウンド2回戦でJ3の長野と対戦し、中2日でリーグ戦が控えている状況を踏まえて先発メンバーを大幅に入れ替えた中、2-3で敗れた。同じ轍を踏めばリーグ戦への影響も考えられるだけに、こちらも曺 貴裁監督の起用法に注目だ。
[ 文:石倉 利英 ]
