栃木SCは3月26日に実施された1回戦でJ2仙台と対戦。スコアレスのまま延長戦まで戦い抜き、PK戦の末に激闘を制した。チームを指揮して2シーズン目を迎える小林 伸二監督が「後半はメンバーを代えることによって少しずつパワーアップできた」と振り返るとおり、直近の明治安田J3第6節・琉球戦からスタメン全員を入れ替えて挑んだ中、途中からリーグ戦の主力が入り、尻上がりに攻勢を強めていくという流れだった。
今季J2から舞台を移して戦っているJ3でも得点力は課題に挙げられるが、リーグ戦でここまでつかんだ3勝はすべて1-0とクリーンシートであり、栃木SCが伝統とする堅い守りは健在だ。仙台戦も相手の決定機に対して泥臭い守備でゴールを守り、タフなゲームを乗り切ってみせた。誰が出場しても泥臭さを表現できる素地がこのチームにはある。
栃木SCは1年でJ2に復帰することを今季の目標に掲げながらも、思うようにリーグ戦で勝点を積み重ねられていないが、リーグ前節・FC岐阜戦ではチームが意図した相手ゴール前の攻略から奪った五十嵐 太陽のゴールを最後まで守り切り、4試合ぶりに勝利をつかんだ。昨季の途中からボールを動かしながら主導権を握ることにも挑戦しており、少しずつチームが変貌している。それは仙台相手にも示し、十分に通用していた。
この福岡戦も持ち味の守備だけではない新たな側面を見せることにチャレンジしながら、再び上位カテゴリーのチームを撃破することを虎視眈々と狙っているだろう。
一方の福岡は3月20日にアウェイで実施された1回戦で琉球と対戦して2-0で勝ち切り、2回戦にコマを進めた。内容的には改善の余地が大いにあるゲームとなったが、それでも18本ものシュートを放ち、北島 祐二と紺野 和也がそれぞれゴールを決めた。
今季のリーグ戦は開幕3連敗と苦しいスタートとなったが、直近7試合は負けなしであり、リーグ前節・横浜FM戦でも勝ち切って二度目の3連勝を飾ると、今季初めて首位に立った。
2023シーズンのルヴァンカップでは優勝しており、今季から就任した金 明輝監督は「クラブとしても2年前に獲ったタイトルをもう一度、という気運にもなっているので、しっかり勝って次のステージにコマを進めたい」と語る。
1回戦の選手起用からすると、この2回戦も直近のリーグ戦から大幅にメンバーを変更することが予想されるが、その中で注目したいのは田代 雅也がメンバー入りをするか否かだ。
田代 雅也は2018年から3シーズン、栃木SCに在籍し、堅守の象徴として君臨したファイター。その後栃木SCでの活躍が評価され、鳥栖、そして福岡へとステップアップを果たした。栃木SCのファン・サポーターは凱旋を望んでおり、試合展開とともに彼の一挙手一投足が注目を集めることになりそうだ。
[ 文:鈴木 康浩 ]