Jリーグ百年構想 芝生の学校応援企画
高石市立 東羽衣小学校
わたしたちの芝生校庭自慢
運動場で子ども達の歓声が上がる。芝生の上で寝転ぶ子、取っ組み合い、でんぐり返り、鉄棒の下も芝生、鉄棒で遊ぶ子、逆上がりのできる子が増えた。登り棒の下も芝生が敷かれ登る子が多い。ドッチボールをするグループ、もちろん、サッカーボールを蹴っている子ども達もいる。平成17年9月、二学期が始まって高石市立東羽衣小学校の休憩時間の様子が変わった。
- 平成15年東羽衣小学校は、創立50周年を迎えた。その記念事業に校庭の芝生化を考えたが、色々な問題で断念した。
- 高石市は、日本サッカー協会川淵三郎キャプテンの出身地で、現在名誉市民、その任命式典の時に、「ぜひ市内の小学校の校庭芝生化を実現してほしい」と話された。
- 東羽衣小学校には5年前から、元気な高齢者づくり・きれいで住みよい街づくりを目的にした「NPO法人きずな」が空き教室を利用して、「街かどデイハウス」(介護予防の事業)を開いている。学校、子ども達、PTAとの協力関係が深まる。
- NPO法人きずなは、学校週5日制がスタートした平成14年度から、土曜日を有効に過ごせるようにと、毎月1回土曜日に子ども達にサッカーとピンポンを指導している。
- 平成17年5月19日(木)、大阪府下の新聞紙上に大阪府がNPOやボランティア団体、PTAなどが事業主体になって幼稚園、小中学校の校庭緑化に事業費の1/2限度額300万円の助成金を出すという記事が出た。
- 申請締め切りは、25日(水)だ。早速、石橋校長に記事の内容を話し「とりあえず申請してみましょうか」ということになった。2年前芝生を断念したときのPTA会長もこの記事を見て、校長室に来られ「芝生化は、どうでしょうか」とのことであった。
- 2年前の業者(谷一生さんという芝生の専門家)に連絡し、協力を要請する。
- 高石市教育委員会に申請の連絡をし、25日大阪府へ申請書を提出する。
- 6月3日大阪府審査会の結果、採択されたと連絡が入る。
- 工事場所は、当初、運動場の中央900m²を考えたが、付近の芝生化した学校を見学して、周囲に変更する。面積は1,200m²に増える。
- 保護者、先生、地域のボランティアの代表、NPOきずなで芝生委員会を作る。この委員会の目的は、事業費の1/2の自己資金作りと芝生を張った後のメンテナンスだ。
- 芝生委員会から子ども達と保護者に芝張り工事の協力者募集の通知を出す。NPO法人きずなは、会員や地域のボランティアにも協力を依頼する。
- 工事は、学校が夏休みに入る7月20日以降、21日〜25日まで土壌改良工事、始めると予想に反して運動場の状況が悪くかなり手間取る。
- 26日早朝、1300m²分の芝生がトラックで届く、しかし、台風16号の接近、雨が激しくなりとても芝生が張れる状態ではなくなる。午前7時、やむなく27日に延期の決定をする。
- 27日は、快晴、10時からの予定が、9時過ぎから続々と子ども達、保護者、先生方、ボランティアなど協力者が来る。工事関係者5名が、芝生の張り方を指導し、みんなで芝生を張り始める。レンガを積むように互い違いに張って行く、お母さんも子ども達も、先生方も、きずなのメンバーも、ボランティアの方々も一生懸命、汗を拭くのも忘れて、次々に張る。新聞社の取材を受ける親子、高石市広報課の職員が写真を撮ってくれる。今張った芝生の上を裸足で飛び跳ねる子ども達、11時半にほとんど終了する。夏休みにもかかわらず参加者は200人を越えた。みんなの顔が本当に嬉しそうだ。
- 張り終わって、業者の谷さんから、「9月になって秋雨が降るまで、少なくともこれから1ヶ月間、朝の散水だけはしっかりやって下さいよ。」と頼まれる。
- 水遣りは、NPOきずなのメンバーが、中心になって、校長先生、教頭先生、早朝は、6〜7名の早起き得意の地域の高齢者、夕方は、PTAのお母さん方に子ども達も参加、今年の大阪の夏は、カンカン照り、夕立も無く、ほとんど毎日水遣りを行った。
- 羽衣夏祭りに芝生委員会で「校庭芝生化チャリティー、ホール」を開き、ビール、カキ氷などを販売する。収益金17万円を上げる。きずな会員などから支援金60万円が寄せられる。
- 「街かどデイハウス」は、毎週4日、夏休み中も開催している。学校は子ども達が来ないので運動場はあまり使用されない。谷さんの指示で芝刈りもきずなのメンバー、先生方、地域のボランティアが協力して2週間に1回の割りで9月末まで行う。肥料は、10月までに3回行う。
- 二学期が始まる9月見事な緑の絨毯が出来上がった。
- 9月23日、秋の小学校運動会は、家族と一緒のお弁当、芝生の上が大賑わいだった。
- 10月15日、土曜遊ぼう会の終了後、芝生記念餅つき大会をする。子ども達も一緒になってつきあげた45キロのお餅が、瞬く間になくなる。参加者は400人近くいただろう。
- 来年1月、大阪府小学校PTA大会で南大阪を代表して東羽衣PTA会長が、芝生校庭の状況を発表することになっている。
芝生の効果と今後
地球温暖化の防止、ヒートアイランド現象の緩和、子どもたちに自然と緑の素晴らしさ、土と違ってスポーツをするときの恐怖感の緩和、数え切れない効果が期待できる。
工事に協力いただいた谷一生さんは、子どものころアメリカで過ごした経験から、帰国して日本の学校は、運動場が土のままなのに驚き、芝生のメンテナンス業の関係から、日本に芝生の運動場を広げたいという思いで、採算を度外視して協力いただいている。
当校の芝生は、コウライ芝なので、冬の眠りに入った今、日に日に芝生の緑が薄れてきた。来年の春、元気に芽を吹き出してくれることをみんなで期待している。しかし、一部張り直しをせざるを得ない部分もあるようだ。来年は、谷さんのアドバイスを受けて冬芝の種を蒔こうと検討中である。
校庭芝生化に関するアンケート
| 芝生校庭完成時期 | 2005年7月27日 |
|---|---|
| 芝草の種類 | コウライ芝 |
| 芝生面の広さ(m²) | 校庭:5,000m² / 芝生面:3,000m² |
| 芝生化にかかった費用 | 芝生化費用 1,700千円 運営費 200千円 |
| 芝生校庭完成時に おこなったセレモニー |
芝生完成時が夏休み中であったので、当初は特におこなわないつもりであった。しかし、学校、PTAと協議の結果、芝生委員会が主催して、10月15日(土)土曜遊ぼう会のサッカー教室、ピンポン教室が終了後、餅つき大会を実施した。子ども達、保護者、先生方、地域のボランティア、NPOきずなのメンバー合計400人近くが参加した。 |
| 芝生化のメリット/課題 | (メリット) 地球温暖化の防止、ヒートアイランド現象の緩和、大阪府の調査では、真夏時に芝生上と土の上で昼間8.0℃、夜間1.9℃の温度差があったと報告されている。 トンボ、最近あまり見かけなかったオニヤンマやヤンマがよく飛んできた。また、鳥も非常に多く芝生の上に飛来し虫を食べてくれている。 子どもの遊びが変わった。芝生の上でのあそびが増えた。運動会の練習も組み立て体操、サッカーのドリブル練習、休み中も寝転んだり、座ったり、鉄棒や棒登りをする子が増えた。また、芝生張りや水遣りを通して、子どもたち、学校の先生、PTA、地域のボランティア、NPOきずなのメンバー、新しい交流が生れた。顔見知りが増え、子どもに対する犯罪の抑止効果、防犯活動にも貢献する。 (課題) 運動場の周囲に張ったため、中央の土の部分と芝生の部分の境目に水溜りができ、水捌けが悪くなった。 休日の学校開放で利用する人たちは、芝生化がどうしてできたかを知らないため学校の子ども達に比べて、荒っぽい使用をするように思われる。 |









































