Jリーグ百年構想 芝生の学校応援企画
東京都豊島区 自由学園明日香館
わたしたちの芝生校庭自慢
明日館は、国の重要文化財に指定されている建物です。現在明日館では学校運営を行っていませんが、文化財指定後、建物の見学、撮影会場、貸会場などで運営管理をしています。
今回は、明日館が体験された芝生の大切さ、育て方の大変さを通して、今後校庭・園庭の芝生化を推進する上での一助となるよう、芝生自慢レポートをお送りくださいましたのでご紹介します。
概要:都心の中にある緑豊かな広場
自由学園は、羽仁吉一・もと子夫妻により大正10年(1921)に女学校として創立されました。明日館はその自由学園誕生の校舎で、アメリカが生んだ建築の巨匠フランク・ロイド・ライトと、その弟子の遠藤新の設計になる建物です。
校舎は大正10年から昭和2年までの間で4棟の建物が完成しました。建物は、敷地北側に中央棟、東西にそれぞれ教室棟を中央の前庭を囲むように、コの字型に配し、道路を隔てた南西側に講堂が建っています。このキャンパスは昭和9年まで使用されましたが、生徒の増加に伴い、学校を東京都東久留米市へ移転。以後、主に卒業生の諸活動の拠点として使われました。老朽化が進む中、平成9年に国の重要文化財に指定され、平成11年より3年間かけて保存修理工事を行いました。その際、芝生をすべて撤去しましたが、平成13年より会館事業を行うことを機に、前庭の芝生を張り替えました。現在は建物の見学、撮影地、貸会場などを行って運営管理をしています。
いつから明日館の前庭に芝生を植えたのかは定かではありませんが、当時の写真を見ると、明日館が校舎として使用していた大正14年までいんは既に芝生を張り、校庭として使用していたようです。
- 芝
芝は、高麗芝と野芝を配合して開発されたみさと芝を使用。特徴は、一般のものと比較して葉が太く、緑度が濃い。また、緑葉期間は4月中旬〜12月上旬までと長く、踏圧耐性・耐陰性が高い。 - 整地・土壌改良
既存の芝を撤去した後、地表30cmの深さに開墾した。このとき、敷地内の排水を考慮し、水垂勾配をつけて整地した。土壌改良として、経年により土壌が締め固まり、排水性が劣化するのを防ぐため、無機系で多孔質な土壌改良材を混合した。また、芝刈り後の初期育成を促進するため、有機質の元肥を基盤土壌に混合した。
会館事業開始後の苦悩会館事業直後の1〜2年は、芝の状態がよかったのですが、その後だんだんと悪化。春になっても部分的にはげてしまう「春はげ症」が至るところに発生しました。この「春はげ症」を改善して緑の芝生を復活させるために、以下のことを徹底し、芝生の管理に務めました。
まず、p散水。梅雨が終わるまで、そして梅雨明け後には、たくさんの水を撒きました。5月上〜中旬、梅雨明け直後、9月上〜中旬の年3回、肥料をまきました。雑草取り作業では、前庭を3分割し、職員も3チームに分けて各箇所の雑草を取りました。そして、芝刈りも定期的に行いました。冬には焼き芝も行いました。文化財指定を受けている場所では、法令により火気厳禁です。そのため、地元の消防署に火気使用許可を事前に提出して行いました。もちろん、仕事の合間を縫って、職員総出でこれらの作業を行っていました。
しかし、一向に回復しません。それどころか、仕事の合間に行っていたので楽しさよりも大変さのほうが増してきました。そのため、コアリングや肥料の散布などはゴルフ場芝管理の専門業者に依頼、雑草取りや散水、芝刈りなど日常的に行えることは自分たちで行うことにしました。その結果、「春はげ症」はなくなり、都会の中のオアシスが甦りました。
校庭芝生化に関するアンケート
| 芝生校庭完成時期 | 2001年9月 |
|---|---|
| 芝草の種類 | みさと芝 |
| 芝生面の広さ(m²) | 校庭:500m² / 芝生面:500m² |
| 芝生化にかかった費用 | 運営費 約60万円 |
| 芝生校庭完成時に おこなったセレモニー |
特に無し |
| 芝生化のメリット/課題 | (メリット)
|









































