5月5日(火)J1 第10節 広島 vs F東京(19:00KICK OFF/広島)
スカパー!生中継 Ch180 18:50〜(解説:沖原謙、実況:桐山隆、リポーター:掛本智子)
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それにしても、J創設期は本当にすさまじいスケジュールでやっていたんだな、とつくづく思う。水曜・土曜の週2日開催。中2日・中3日の連戦がずっと続いていたのだから。このスケジュールでは、試合後はリカバリーとコンディション調整が精一杯。戦術的な修正を行うことは、難しい。
そういう中で、選手だけでなく、メディカルをはじめとしたスタッフ、監督やコーチも本当によくやっていた。厳しさは誰もが感じながらも、「やるしかない」という一種の開き直りが、創設期のエネルギーとなっていた。それがピッチから伝わるすさまじい熱となって見る者を巻き込み、ブームを呼び込んだのかもしれない。
ただ、中2日のスケジュールが続くこの日程では、100%のチーム力を出し切ることは難しい。特に広島の場合、オフ・ザ・ボールの動きでパスコースをいくつも創りだすことが、チームとしての絶対的な約束事。運動量が生命線であり、それはコンディションがチームに与える影響の大きさを同時に意味している。
「相手が引いてスペースを消してくる戦術よりも、このハードな日程の方が問題だ」と広島・ペトロヴィッチ監督は唇をゆがめる。もちろん、シーズン前からこの日程は想定してはいたが、予想外の主力の離脱が指揮官の悩みを増幅させている。
特に、森崎浩司・高柳一誠・桑田慎一朗の離脱は痛い。もし彼らのうち一人が健在であれば、常に激しい運動量が求められる1トップ2シャドーのポジションで、ローテーションをつくることができる。シャドーの柏木陽介や高萩洋次郎だけでなく、佐藤寿人に休養を与え0トップの布陣で試合に臨むことができるわけだから。
練習ではミキッチや楽山孝志らを前線で試したことがあるが、なかなか機能しない。平繁龍一や久保竜彦は破壊力はあるものの守備面に問題を抱えており、スタートでの起用は難しい。「(現状のメンバーの他に)選択肢はない」とペトロヴィッチ監督は苦しい胸の内を吐露する。
彼らの不在は、ボランチの青山敏弘や森崎和幸にも大きな負担だ。しかし、広島の戦術的・精神的な支柱である森崎和は、「それでも運動量がもっと必要ですね」とさらりと語った。
「サイドで人数をかけて数的優位をつくれば、相手の守備陣を引き出して中の守備を薄くすることも可能。そういう動きを繰り返すことが必要なんです。
ただ、確かにこの2試合は無得点だけど、僕は攻撃陣を信頼しています。彼らは個々の能力も高いですからね。点が取れないからといってリスクを冒しすぎず、我慢することが今は必要なんです」
疲労の蓄積は、F東京も同様だ。3−2(前節・大宮戦)・2−4(前々節・G大阪戦)と派手な試合が続き、肉体的にも精神的にも消耗している。しかし上位を狙うためには、この連戦を乗り切ることが両チームにとって重要。前節は2−0から大宮の反撃を受け、石川直宏のハットトリックがかすんでしまいそうな展開に「こんな幼い試合をしているようでは、ここから勝ち続けるという目標は遠い話になる」とF東京・城福浩監督は語り、選手の奮起を促した。
ただ、ここ2試合で6得点と、F東京は持ち前の攻撃力を発揮し始めている。前節は最終ラインにブルーノ・クアドロスと今野泰幸という攻撃的なセンスを持つ選手を起用し、守備のリスクを冒してでも得点を狙う姿勢を示した。とはいえ、この布陣が守備の堅い大宮に対する一時的な施策なのか、今後とも恒常的に使っていくシステムなのか、それはまだ明確ではない。
広島の攻撃力への対策だけを考えれば、名古屋や清水が成功したラインを低く設定する戦術が有効だろう。石川やカボレといったカウンターにはうってつけの人材もいる。今野を中盤に配し彼のボール奪取からの速攻が機能すれば、センターバックがリスク覚悟で攻撃に出て行く広島が窮地に陥る可能性もあるだろう。攻撃面で有効だった大宮戦のシステムを継続するのか、それとも対広島用にスペシャルな形を用意するのか。それは、城福監督の胸の中にある。
ここまでの歴史を振りかえっても、広島vsF東京戦は乱戦になる傾向が強い。2年前は2試合で11点が叩き込まれ、それぞれアウェイ側が勝利した。3年前はF東京が2点先行したものの、広島がその後に5点を叩き込むという試合を演じてみせた。2000年の初対決以来、このカードにおける広島の平均得点は1.7、F東京は1.6。過去のデータから見ても、そして両チームのスタイルを考えても、明日もまた壮絶な打ち合いになる可能性が高い。
以上
2009.05.04 Reported by 中野和也




































