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【2009Jユースサンスタートニックカップ:1回戦 大分vsHonda/新潟vs横河】レポート:粘るHondaに焦れず、大分が2ゴールで勝利。Jとクラブユースの意地の対決は、横河が前へのパワーで新潟を下す(09.12.07)

12月6日(日)2009Jユースサンスタートニックカップ 1回戦
2009Jユースサンスタートニックカップ特集サイト
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大分 2 - 0 Honda(11:01/西が丘/217人)
得点者:71'新井 祐輝(大分)、78'横山 卓郎(大分)

「ウチは能力がずば抜けた選手はいないからカバーの意識が重要。ボールも11人で運ぶ」とHondaの加藤万明監督は言ったが、まさにその言葉通りのプレーだったHonda。前半から大分が決定機を作り続ける展開だったが、Hondaはセンターバックの内田悟、坂本潤哉のコンビが的確なカバーで最後の最後で大分のシュートチャンスを潰していった。また、GKの岩崎雄大は171センチと高さはないが前に出る判断もよく、シュートストップの上手さが光った。大分からみれば「決定力不足」、「最後のプレーの精度が低い」ということになるかもしれないが、やや深めにポジションを取る内田と坂本のカバーは粘り強く隙が殆どなかった。最初は大分のゴールが決まるのは時間の問題と思えたが、耐えるHondaがカウンターでも1点を取れば流れは変わるかもしれないと思えるようにもなった。ただ、大分のディフェンダーも強く、Hondaに起点を作らせなかった。

前半を0-0で終え、後半に入ると大分は守備要の刀根亮輔を負傷交替することになった。発熱やケガなどで主力選手が欠ける大分にとって刀根の交代は更に戦い方を難しくした。刀根の不在だけが理由ではないが、後半はHondaがチャンスを広げた。奪ったボールをシンプルに前につなぎ、FWの斉藤翔がディフェンダーを背負いながらも粘ってボールをキープする場面が増えた。59分には斉藤が決定的なシュートを打つなど、Hondaも決定機を増やした。途中出場のFW・中村勇輝も攻守に渡って身体を張ってHondaの攻撃を支えた。

決定機の多さではHondaを圧倒してきた大分は71分に新井祐輝が中央から崩してゴールを決める。焦れることなく攻撃を続けてきた大分の粘りがゴールに繋がった。そして、78分には原伊吹のシュートをHondaのGK・岩崎が一旦は止めたものの、そのこぼれ球を横山卓郎が決めて2-0と大分が畳み掛けて勝負を決めた。シュート数が32本の大分に対してHondaは11本と圧倒されたが、個の能力の差をカバーリングで補えることと押し込まれる時間が長くても決定機を作るパスの判断が鍛えられていることを見せた。勝てなかったが「Honda」の意地は見せた。磐田と清水という2大クラブに挟まれた地域で選手育成を行う難しさの打開に向けて更なるHondaらしさの発揮に期待したい。

大分はトップチームがJ2に降格し、財政面でも厳しい状況にあるが田村一弘監督が「(トップの強化には)財政的な問題があるが、それを打開するにはユースの選手が多くトップに昇格して活躍することが大事。選手には、逆にチャンスであると伝えた」と話しているように、ピンチはチャンス。ユースの選手が、「自分がトップに昇格してチームを支える」という自覚を持ってサッカーに取り組めば大分の興味深いものになる。2回戦で対戦する横浜FM相手(高円宮杯U-18王者)にどんなプレーを見せるのか、大分の選手の自覚に注目したい。

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新潟 1 - 3 横河(14:01/西が丘/410人)
得点者:36'田中 僚(新潟)、38'石場 大豊(横河)、60'河仲 大地(横河)、64'石場 大豊(横河)

日本クラブユースサッカー連盟には全国で104のU-18クラブが登録しているが、最激戦地区の関東代表の横河武蔵野FCユースは予選決勝で伝統と実力のある三菱養和SCユースを5-0で下しており、前評判が非常に高いチーム。今年のクラブユース代表の4チームの中で最も期待を集めるチームと言っていいだろう。クラブユース代表チームにとって2009Jユースサンスタートニックカップは、「1つでも多くのJのチームを倒したい」という本能が刺激される大会。第1試合で大分に敗れたHondaも同じ気持ちで戦っていた。対するJリーグのユースチームは「クラブユース代表には負けられない」というJリーグの意地がある。JリーグのクラブはJ1で優勝、AFCチャンピオンズリーグ優勝、FIFAクラブワールドカップ優勝と世界に繋がる夢がある。しかし、横河の場合はHonda同様にトップチームがJリーグ入りを希望していないために、今年のJFLでは2位だったもののJリーグに参入できない。4位の北九州がJ2に昇格するのを複雑な気持ちで見送ったかもしれない。それだけに、Jのチームに勝って自分たちも力があることを証明したい。

ともにワントップの新潟と横河はスタートポジションもほぼ同じ配置。どんな立ち上がりになるか注目したが、連動性に優れる横河が何度も深い位置までボールを運んでいった。それを守備が堅い新潟が最後の部分ではしっかりと跳ね返して、シンプルに攻撃に繋げるという展開で落ち着いて行った。そして徐々に新潟の攻撃が決定機と友好関係を深めていく。36分、新潟はコーナーキックの流れからクリアボールを田中僚が左足で豪快なミドルシュートを決める。攻めながらもゴールを決められなかった横河にとって、この失点がどんな影響を及ぼすのか注目した。サッカーではよくあるパターンだが、ポゼッションで上回っても決め切れなければ、焦りで弱気のポゼッションになるか雑なサッカーになってしまい、墓穴を掘ることが珍しくない。しかし、横河が素晴らしかったのは2分後には同点に追いついたこと。新潟が「1点取ったらハイプレッシャー」という考え方で、先制されて前に出てくる横河の出足を挫いて主導権を安定させようとしたが、横河はそれを逆手にとって裏を取って同点に追いついた。新潟の2年生キャプテン・中村樹はこのことを悔やんだ。

1-1の同点で迎えた後半は、横河の攻撃が決定機に繋がり始める。プレーの連動性、キックの正確性、前を積極的に選択できる自信で新潟のラインを下げさせた。59分にはセンターバックの紙谷大志のヘッドがバーに当たるなど、決定機とゴールは紙一重。そして60分に池田健悟がドリブルで粘ってチャンスを作り、河仲大地のゴールに繋がった。そして4分後には連動したパスワークから石場大豊がこの日2点目のゴールを決める。3-1になったことで横河に守る意識が出たのか、新潟が前へのパワーを増して2点目を奪いに来るが横河は凌ぎきってJクラブから勝利をもぎ取った。

発熱などで3年生が1人もいなかった新潟。2年生キャプテンの中村は「後半は点を取るのに急ぎすぎた。夏のクラブユースで関東や関西のJのチームにも勝てる自信を持ったが、そのチャンスを失って悔しい。次の試合には3年生が戻ってこられるはずだったので申し訳ない気持ち」と責任感のあるコメントを残した。一方、2回戦で東京Vに挑む横河の埴田健監督は「東京Vは2種登録している高木兄弟は出るんですかねぇ」など気にしていたが、伝統も実績も他を圧倒する東京Vに挑戦することを楽しみにしている表情だった。

以上

2009.12.07 Reported by 松尾潤

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