新監督就任会見コメント(1)はこちらから
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Q:祖母井さんと大木さんは来年のチーム編成について既に何時間くらいお話をしているのでしょうか?
●祖母井GM
「私と監督と、あと細川(浩三・取締役スポーツディレクター)がいます。国際電話などで話をしました。どれくらいかというと…何時間くらいかな? 48時間くらい?(笑)」
●大木監督
「もうちょっといってますね(笑)。どうでしょうね…、マジでそんなこと答えるなんて思わなかった(笑)。68時間…32分位ですか(笑)」
Q:来シーズンの選手編成は、理想の何%くらいですか?
●祖母井GM
「理想というのは、固まらないですよね。我々の理想って、上がっていくわけですから。もうちょっと時間かかるかな…移籍とかいろんな問題も抱えていますから。まあ、それは話をしてやっております。理想は、多分一生かかると思います(笑)」
Q:来シーズンに向けて移籍の締切もありますが?
●祖母井GM
「でも、いい選手が来てくれたな、これはいいなあと思っていても、グルノーブルは最下位で降格しました。こんなチームで戦えるかなと思った年は昇格しました。やっぱり人間なんですよね。人というのは、難しいところなんです。いい選手が集まっても力が出るかわからない。
いい補強をしたかと聞かれるんです、シーズン前に。でも、いい補強したかわかるのはシーズン終わってからですよね、そう思います。申し訳ないですけど、そこの所の部分というのはすごく難しい。まあ、少し心配があるほうがいいかなと思う時もあるんですけど…大木さんの前ですいません(笑)」
Q:関西での仕事は久しぶりですが、関西で仕事をするということについては?
●祖母井GM
「僕の中では関西、関東とかあまりないですね。京都は、関西にいた時は時間があれば遊びに行っていました。
これはプライベートなことですけど、家内はドイツ人で結婚して初めてのデートが宇治川だったんです。僕がおにぎりを作って、家内は『私、サラダ作るから』って。3月か4月、ぽかぽかしていて桜がいっぱいだったんですね。そこで、おにぎりハイって言って、彼女もパッと用意したサラダを開けて…人参1本だったんですよ(笑)。人参これ(10cm)くらいのやつときゅうり1本な訳ですよ。ドイツの人って結構そのまま食べるんです。それで、おにぎり食べながら人参をガリガリガリ…って。そういう思い出がありまして(笑)。何か縁があったのかなぁと。僕は伏見稲荷が大好きで、家内も大好きです。あそこは日本的だと。そういう観光化されていない雰囲気があって、お祭りもすごく多い。それで、ガリガリっと人参を食べてデートした後、万福寺へ行ったんですね。京都に行き、新快速で30分で大阪に行けるんですけど、すごく遠く感じて。僕、京都にいるんですけど、なんか大阪ってもっと遠いところにあるような感じでしたね。それは久しぶりに関西に帰って思いましたね。
それと京都というのは夜、まぁ夜も大好きなので(笑)、食事をしに行くと光の使い方とか古い建物の使い方とか『あ、ちょっと違うな』と。そういうものもありますけど、僕は関西でやるというよりは京都からお話をいただいたので良くするしかない。私のタイプとしては、上位である程度できあがったチーム、まあそんなクラブからオファーはないと思いますけど、そういうところよりは仕事がいっぱいあるんじゃないかなと、まだわかりませんけど(笑)、そういうクラブのほうが、私にとってはやりがいがあります」
Q:祖母井GMが大木監督にお願いしようと思った理由は?
●祖母井GM
「大木さんとのつながりは、オシムさん(元日本代表監督)が千葉の監督の時によく来られていました。それで、大木さんと会う機会もあった。大木さんはお酒が全然飲めないから、あまり話はできないけど(笑)。そんなに話をした訳じゃないんですけど、何回か話をする中で『この人は世渡りが下手くそやなぁ』と。なんかストレートで、すごくわかりやすい人。だから、その魅力、そんな複雑な人じゃないと思って…。
(大木監督が隣で「褒められているのか、けなされているのか…(笑)」)
監督というのは表裏があってはいけないと思いますが、そういうところが全くない。この人とやっていこうという気持ちにすぐなりました」
Q:来季のサッカーである「動きのあるサッカー」で期待している選手は?
●大木監督
「具体的に名前をあげるのは…避けます。本当に月並みになりますが全員に期待しています。ぜひ、誰でも構いません、アピールしてもらいたい。今、そんな気持ちでいます」
Q:日本を離れていた4年間、Jリーグの変化をどう見ていますか?
●祖母井GM
「週1回はユーロスポーツでJリーグをやっていますから、それを観たりしていました。私はフランスでクラブの中に入って選手と毎日のように付き合っていた、選手の状況を観ていた人間ですが、日本人は(海外で)やっていけると思います、間違いなしにやっていけます。今、香川(ドルトムント)とか頑張ってますけど、香川だけじゃなく日本人はやっていけると思います。ただ、1つだけ心配なのはメンタル。技術的なもの、体力的なものは、体格の問題はあるかも知れないけどそんなに…。でも、メンタルは違った。特に、状況を把握して『それでは、この状況ではこういうことをやらなくちゃ』と自分で判断するというのが、ちょっと頼り過ぎかなと思いますね。
私が成田に着きエスカレータに乗ろうとしたら『今、エスカレータはどういうふうに動いてますよ』と矢印が出るんですよね。『わかった。では、こっちに行けばいいんだな』と思って、次にスーツケースを取ろうとしたら女性が『最近スーツケースを間違える方がいらっしゃいますからご注意ください』ってインフォメーションしてくれるんです。『自分のスーツケースは緑のだから間違えないようにしないといけないな』と自分で考える前に情報をもらう。
17日には原宿に行きました。原宿は若い人ばかり集まりますが、私も若者やその雰囲気とかをすごくキャッチしたいので、ときどき若者が集まる六本木とかに行くわけですよ。原宿駅前に信号機があって、バーっと若者が移動している時に一人、信号の状態をアナウンスする仕事をしている人がいるんです。『今、青です。赤に変わろうとしています。赤に変わりました』って言われたら、もう考える必要も見る必要もない。
そういうのが僕はすごく気になるんです。考える前に情報をくれる。サッカーと社会というのは、全く別じゃないと思っています。Aという選手がちょっとぼーっとしていて、点を入れられて負けた試合があったんです。オシムさんが試合が終わってから僕に『ああ、これだけ電車の中で人が寝るんだから、それじゃゲームの中で寝てることも不思議じゃないよね』と言いました。ヨーロッパでは、電車の中で寝ている人はあんなにいない。私はそういう社会現象というのが日本のサッカーでの現象と全く別のものではないと思いますし、オシムさんもそういう見方をされたんじゃないかと思います。世の中が今どう変化しているか、それがサッカーにも影響しているなと思います。
先ほど言いましたが『情報』(を与え続けること)がすごくどうかなと、社会の問題かなと思います。それがサッカー選手の、自分で工夫するとか状況をキャッチして自分がどういう行動を取らなくてはいけないと判断するとかいう面を、欠けさせているのかなと思います」
Q:サンガの選手にも、そういうメンタルが必要だと?
●祖母井GM
「私はメンタル抜きでは勝利も発展もないと思います。僕はクラブの状況がわからないので、それを見ながら監督と話をしながらやっていきたいと思います」
Q:そんな話を直接、選手にすることは考えていますか?
●祖母井GM
「そういう話が一つもできなかったら一番いいんですけどね。それはわからないです、今は。状況を見ながら、話をしていきたいと思います」
Q:前日本代表監督の岡田武史氏やW杯を一緒に戦った選手たちから、監督就任が決まってどんな言葉をもらいましたか?
●大木監督
「就職おめでとう、とみんなから言われました。
(岡田さんからも?)
岡田さんには、決まった時に僕から電話しました。良かったなと言われました(笑)。いや、本当ですよ」
Q:それは、先ほどあった「オファーがなければ監督はできない」という状況を理解されていたからということでしょうか?
●大木監督
「そうですね。先ほど祖母井さんから紹介がありましたように、(自分は)バカな男でして(笑)。これぐらいしか仕事ができませんので、はい」
Q:チーム始動が来年の1月11日ということで、これは他クラブに比べると若干早いと思いますが? 開幕までのプランを差し支えない範囲でお願い致します。
●大木監督
「11日というのは…早いとは思わないです。充分休養は取っていますので。他クラブに比べれば…というところはあるかもしれませんけど、妥当な線だと思います。
プランについては、キャンプ等も入ってきますけど練習試合を割りと多くして状態を見るということが一つ。それから、スタートは厳しすぎもせず楽もせずといった、中あたりで入っていって、本当に選手が気持ちよくやる状態で観て、だんだん上げていきたいなと思っています。今はそれぐらいしかないですかね」
Q:J1に上がった後の長期的な強さも求められると思うのですが、そのあたりの監督の考えをお願いします。
●大木監督
「サンガとしては絶対そうだと思いますね。もちろん、その中に私が入っていれば、こんな幸せなことはないんでしょうけど。短絡的に考えている訳ではないんですけど、やっぱり一つは来年J1に上がるということは避けては通れないと思います。そこはまずクリアしなきゃならないということ。もしそれができれば、次のことを考える。ただ、1年で上がって1年で落ちてしまうのではあまりいい状況ではないので、そこは祖母井さんや会社の方が考える。もちろん私も考えない訳じゃないですけども、その辺りはしっかり気をつけてやっていきたいとは思います」
Q:今年W杯を戦って、改めて感じた部分をお願いします。
●大木監督
「こういう言い方はちょっと変かもしれませんが、やっぱりサッカーというのは真剣にやらにゃいかんなと。本当に並大抵のことでは勝てないというのが、当たり前のことですけど、本当に身に染みてわかったということですね。
皆さんに『ああ、あそこはさすがワールドカップに行ってきた大木、いいな』とは、なかなか形では見えてこないとは思います。でも、見えない所でも隠し味のような形で選手に伝わるなり、一緒にやっているコーチに伝わるなりして、そんな中からじわじわ試合を見てくれる皆さんにしびれていくような、時間がかかるのかもしれませんけど、そんな形で出せればいいのかなと思います」
Q:今シーズンのサンガは得点の少ないチームで、若いFWが多い中、柳沢敦選手がクラブを離れました。点を獲るという部分で補強をどう考えていますか?
●大木監督
「点を獲るというところができなかったので負けてしまった、というのがサッカーの世界ではほとんどだと思います。点が獲れないというのはサンガだけではなくて日本代表もそうだったし、もっと言えばヨーロッパでもなかなかストライカーがいない。補強で誰かストライカーが取れれば、それはそれでいいのかもしれません。でも若い選手であったり、あまり出場機会はなかったがポテンシャルのある選手がゼロではない。やっぱりそういう選手をうまく使っていくことは考えなければならない。まだ選手の動きもありますので、その中で補強も考えなければならないのか、このままでいいのか、時間はそんなにありませんけれども、もうちょっと詰めていこうと思っています。繰り返しになりますけれど、一番大切なのは今いる選手の中からうまく得点できる選手が出てきてくれること。もっと言えばその選手一人のことだけでなく、チームとしてそういうことができる様になるトレーニングをしていくこと。それが全てじゃないかと思います」
Q:まだそういう時期ではないと思いますが、点取り屋というようなストライカーがいいのか、得点能力のあるトップ下タイプの選手がいいのか?
●大木監督
「グラウンドで見てですね、正直。柳沢選手は日本を代表するストライカーであったことは間違いない。でも彼が抜けたことで、次の選手が出てくる可能性もあります。
典型的なストライカー、典型的なセンターフォワードタイプで点を取っていくのか、シャドーみたいな中盤で点を取っていくのかというのは、もちろん両方できるのが一番いいですけど、もう少し見てみたいと思います」
Q:大木監督も、京都についての思い出があればお願いします。そんなお話があれば、きっとサポーターも温かく迎えてくれると思いますので。
●大木監督
「(笑)…何があるかなぁ。いやー、困ったなぁ。
(遠征の時の思い出などは?)
あ、そう言われてみれば2005年に甲府を指揮していまして、その時3位を争っていたんですよね。確か1位が京都、2位が福岡。そこはポンポンと決まって、3位が甲府か仙台か。ちょっと話を盛ったほうがいいですね(笑)。でも正確に言いますと、最後から2試合目は、甲府vs福岡、仙台vs京都だった。この試合に、甲府はホームで0−5で負け、仙台は京都に確か0−1で負けたんです。僕はものすごくブーイングを受け、『もう甲府の昇格は無理だ』と周りからはすごく言われたんですが、スタッフは『仙台も負けたんだから』と割りと楽に考えていました。その時点の順位では、勝点差1で仙台が上だったと思います。
最終戦は対戦カードが裏返しになって、京都vs甲府と福岡vs仙台だった。これは後で聞いたんですけど、当時は都並(都並)が仙台の監督でしたが、彼はずっとこちらの試合経過を聞きながらやっていたそうです。仙台は引き分けでも、甲府が負けか引き分けで3位だった。甲府は勝つしかなかった。だから甲府は仙台の状況とかは見ていなかったんですね。まあ、負けるとは思わなかったんですけど、甲府は1−2で京都に勝って、その後のJ1・J2入れ替え戦で勝ってJ1に上がったんです。
その京都戦の時、虹がサーッと出たんです。虹が出たからなんだという話なんですけど、そういう験のいい場所ということです。…こじつけだなぁ(笑)。そこで仕事ができるというのは、悪くねぇんじゃないかと思ったりしました。不思議なもので、あの時は負ける気がしなかったんです。何の根拠もないけど(笑)」
以上


































