12月23日(木)Jユースカップ2010 準決勝 京都 vs F東京(11:00KICK OFF/長居)
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F東京と広島が昨年に続いて再び決勝で対戦する可能性もあると考えていたが、激戦の右側の山は、伝統の遺伝子を引き継いでいる東京Vと横浜FMが激突する。OBも萌える、いや、燃える伝統の戦いになる。そして、左側の山は京都と東の京、F東京の新旧の「都」対決となった。ベスト4に残った4チームはジュニアユースも全日本ユース高円宮杯U-15で勝ちあがっており、同じ日に試合がある育成の優等生。また、Jユースのベスト4のうち3チームのトップは、来年はJ2で戦うという巡りあわせでもあり、この4チームのユースは未来に希望を繋げてくれる新素材の宝庫・ミラバケッソ。
大学サッカーに恨みはないが大学に進学するのがもったいないと思うような、即プロで鍛えれば1〜2年で大きく開花しそうな選手(佐々木陽次、武藤嘉紀ら)が多いF東京。このチームの強みは個のレベルの高さと抜群の安定感。ディフェンスラインの4枚を先に決め、次は攻撃で重要なポイントになる中盤のサイドを決めていくという倉又寿雄監督のチーム作りは成功を収めている。そして、この成功を支えているのがジュニアユース以下の育成スタッフでもある。F東京の育成部門のスタッフは毎月1回集まり指導実践の研修を行い、クラブとしての育成方針やジュニアユースまでに身につけるべきこと、ユースまでに身につけるべきことなどについて意見交換し、認識を共有している。これがあるからユースが大人のサッカーを志向しやすくなる。そして、それが出来るから安定感も生まれる。ユース1年目が大人のサッカーの入り口なら、ユース3年目はその実践。試合の流れ、自分たちと相手の状況を見極め・判断してプレーの選択肢を柔軟に変えるF東京。上手いだけではない。凄いのだ。
本田将也監督率いる京都は4人(駒井善成、伊藤優汰、山田俊毅、下畠翔吾)のトップ昇格選手と来年の昇格候補の2年生数人を擁する希望いっぱいのチーム。トップは大木武新監督の就任が発表されたが、大木政権が3年、4年と続いたころにはトップチームの半分近くはユース出身者がいるチームになりそうな勢いがある。オール京都に更に近づいていく。この京都はスカラーアスリートプロジェクトを始動させて非常に充実した育成体系を作っている。専用グラウンドがある上に、U-18の選手は寮費が無料、新しいけれど名門・立命館宇治高に、入学金・学費を立命館が負担する奨学金を貰って通うことも出来る羨ましい環境。保護者も安心の、サッカーと勉強に専念できる環境が整っている。J1昇格回数記録更新中のトップチームもある意味凄いけれど、京セラ、立命館、京都サンガの三者が創造した育成環境はおそらくJリーグナンバーワン。この環境があるならユースもナンバーワンを目指さなければならない。
京都は、守備は4-4-2でしっかりとブロックを作るが、攻撃になると相手のバランスを崩すために自らのバランスも崩す。磐田戦では3-1-5-1で上手い磐田の選手を翻弄した。でも、「攻撃から守備に変わる瞬間に4-4-2に戻せるのか?」という疑問が出てくる。3-1-5-1と数字で示すのは選手に攻撃のイメージを分かりやすく理解させるためで、実際に試合を見ると形は流動的。ただ、ボールを持っている選手をサポートするトライアングルは意識している。これが出来ていれば、ボールを失った瞬間にもう一度奪い返すためのプレスをかけやすくなるからだ。極端な言い方をすれば、ボールを失うと奪い返すためにマンツーマン気味にプレスをかけ、もし失敗して逆サイドに展開されれば、全力でゴール前に駆け戻って必死で守るというコンセプトだと理解している。そのときはCanCamモデル(磐田戦のプレビューにはJJと書きましたが、CanCamの間違いでした。訂正してお詫びします)を姉に持つワコールが似合う小顔で長身のDF・高橋祐治を中心に必死に跳ね返すだけ。この割り切り方は面白いし、甲府の監督時代に「絶一門作戦」でサイドを徹底的に制した、トップの大木武新監督も面白がると思う。
京都が4-4-2でしっかりとブロックを作って守るのは、相手のゴールキックのときなどが分かりやすい。このときの守備の堅さに対して、F東京のサイドを中心とした大人のサッカーがどんな崩しを見せるのか注目だ。ゾーンでスペースを守る京都に対してF東京のテクニックとパスワークが激突するところを想像するだけでもワクワクする。また、京都の強烈なドリブラー・駒井とF東京のサイドの攻防も楽しみ。駒井のドリブルはメッシほどの上手さはまだないが、スピードと細かいタッチで足元からボールを離さないテクニックは凄い。駒井が元気なうちはF東京も2枚3枚でカバーしないと守りきれないかもしれない。
J1最終節で注目された京都対F東京という対戦がJユースの場で決勝進出を賭けて行われるのも因縁を感じる。この2チームは夏のクラブユースの対戦ではF東京が1-0で勝っているが、京都が今のスタイルで完成度を高めたのは夏以降。京都の選手はまったく違う戦いにしてみせると自信を持っている。F東京は、クラブユースで広島に敗れ、高円宮杯でも決勝で広島に敗れた悔しさを最後の大会のタイトルで晴らそうとしている。トップチームとサポーターに希望を持ってもらいたいという思いも強い。京都の大木新監督とF東京の大熊清監督にも是非見てもらいたいもの凄い試合になりそうだ。キックオフは23日午前11時(@長居スタジアム)。Webの続きは現場で。
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2010.12.22 Reported by 松尾潤


































