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【Jユースカップ2010 準決勝 東京V vs 横浜FM】レポート:横浜FMユース、『小野封じ』を掻い潜り、真っ向勝負で得た勝利(10.12.24)

12月23日(木) Jユースカップ2010 準決勝
東京V 0 - 2 横浜FM (14:00/長居/1,649人)
得点者:28' 山田 融(横浜FM)、76' 渡辺 大斗(横浜FM)
☆Jユースカップ特集
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東京Vユースの狙いは、ずばり『小野封じ』だった。「流動的な相手に対し、いかに1本目のパスをきっちりと取れるか。(小野)裕二にボールが入らないようにしたい」とDF高野光司が語ったように、この日の東京Vはキローラン木鈴と高野のCBコンビが絶妙なラインコントロールを見せ、小林祐希と渋谷亮のダブルボランチとうまく連動して、小野にボールが渡らないように、パスの出所を遮断。全体的に展開はこう着状態であったが、守備のリズムでは東京Vが優位に試合を運び出した。

一方の横浜FMは、これに対して真っ向勝負を挑んだ。しかし、中盤でのポゼッションで打開できず、ボランチの熊谷アンドリューがボールを左右に散らして、相手の守備にギャップを作り出そうとするが、頼みの右MF松本翔のドリブルも引っかかり、いい形でボールがバイタルエリアに入らず、歯がゆい展開が続いた。
これにより、なかなかいい形でボールを受けられない小野は、MFラインまで下がったり、サイドに流れてボールを要求。しかし、ボールを受けても、ゴールまでの距離が遠く、ドリブルで仕掛けても東京Vが2、3人がかりで素早く寄せて、ボールを奪われてしまうシーンが多く見られた。

ほぼ東京Vの狙い通りの展開で試合が進んでいた。しかし28分、一瞬の隙が生じてしまった。左サイドでオーバーラップを仕掛けた横浜FMのDF山田融がボールを受けると、DF大木暁と1対1に。山田がドリブルを仕掛けた瞬間、大木は足にボールを当てながらも、そこから棒立ちになってしまった。同時にキローラン木鈴もボールウオッチャーになってしまい、カバーしきれず。ペナルティーエリア内にぽっかりと出来たスペースに、そのまま山田が持ち込むと、二アサイドに強烈なシュートを叩き込んだ。
まさに一瞬の出来事だった。あの瞬間、東京Vの選手たちの足がぴたっと止まってしまった。その後の試合運びも守備ははまっていただけに、あまりにも痛すぎる失点だった。逆に見れば、その隙を見逃さなかった横浜FMのしたたかさと言うべきか。

1−0で迎えた後半、攻めるしかない東京VはFW相馬将夏に代え、MF横内宏治を投入。横内を右MFに置き、右MFの南部健造をFWに配置した。FW南秀仁を1トップ、南部を1.5列目気味に置くことで、守備に忙殺されていた感のある小林と、南部の距離を近づけ、小林の攻撃参加を促した。同時にDFラインも高く設定し、前への圧力を強めていく。
その狙いがはまり、57分には、左サイドを相馬と南のコンビで突破をすると、最後はMF杉本竜士がGKと1対1になるが、シュートは僅か右にそれていった。58分にも杉本のカットインからのクサビを、南が落とし、渋谷が狙い済ましたシュートを放つ。60分には再び杉本のカットインから、渋谷が狙うが、共に枠を捉えられなかった。

ゴールには至らなかったが、着実に東京Vが横浜FMのバイタルエリアを攻略していく。だが、同時に攻撃的に行くあまり、今度はこれまで機能していた『小野封じ』が機能しなくなっていく。「相手が前がかりに来てくれたことで、中盤のスペースが増えた」と熊谷が語ったように、プレスが緩まったことで、徐々に横浜FMの2列目が前を向いてボールを運べるようになり、小野もこれまでサイドに追いやられていたが、中央でプレーできるようになった。こうなるとこれまで抑え込まれた鬱憤を晴らすかのように、小野が大暴れし始め、それに呼応するように、横浜FMの眠っていた攻撃力が目を覚ます。

65分にはカウンターから熊谷のパスを受けた小野が左から強烈なシュート。69分にも小野がドリブル突破から、GKと1対1になるが、共に放ったシュートはGKキローラン菜入のファインセーブに阻まれる。逆に東京Vも72分にロングボールに抜け出した杉本が、チャンスを迎えるが、放ったシュートはGKの正面を突いた。
これまでのこう着状態から一転し、試合は激しいカウンター合戦となった。こうなるとエース小野を擁する横浜FMに分が出てくる。その通り、76分には小野の絶妙なスルーパスから、交代出場のFW渡辺大斗が抜け出し、待望の追加点を流し込んだ。

その後も小野を中心に猛攻を仕掛けた横浜FMは、後半だけで17本のシュートを浴びせ、宿敵・東京Vを下した。「ダブルボランチがうまく攻守のポイントとなってくれたし、CBも含めた中央の4人が機能したのは大きい。小野も相手が疲れてきてもスプリントを入れたプレーを多くして、終盤で力を発揮してくれた」と松橋力蔵監督が語ったように、相手の徹底した『小野封じ』に苦しみながらも、守備陣が相手のカウンターを凌ぎ、真っ向勝負を続け、一瞬の隙を突いて先制。そして最後は相手がシフト解除した隙を見逃さずに、エース小野を中心とした攻撃で畳み込んで追加点を奪い、自分たちの攻撃サッカーを最後まで貫き通し、結果を掴む。横浜FMにとっては理想的な試合運びだった。

次なる相手はFC東京ユース。「隙が無いチーム」と松橋監督も警戒する、2連覇を狙う王者に対し、どのような試合運びを見せるのか。
「最後なので、思い切り楽しみたい」(小野)、「真っ向勝負です」(松橋監督)。
もう余計な策はせず、この試合のように真っ向勝負あるのみ―。今は最後の決戦に向けてその牙を研ぎすまさんとしている。

以上

■決勝 12月26日(日)@長居
13:30 F東京 vs 横浜FM
※J's GOALでリアルタイム速報します!

2010.12.24 Reported by 安藤隆人
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