東京Vは残念ながら「昇格がかかったギリギリの試合でのパフォーマンスとは言えなかった」(鈴木惇)。大事な試合が、非常に悔いの残るものとなってしまった。
前節、4試合ぶりに無失点で勝利し、「今回も、まずは先制点を取られないようにして、その中でセカンドボールを拾ってリズムをつかんで、主導権を握っていこう」というのが試合前にみなで話したゲームプランだったと、中後雅喜は話す。だが、意に反した展開が待っていた。
前半14分、東京Vはバックパスからの流れで、DFラインでのボール回しのところで石神直哉がパスミス。これを苔口卓也が奪うと、迷いなくゴールめがけて右足を振り抜いた。「相手のミスをうまくつけて、(シュートが)入ってよかった。ちょっとラッキーだった」自身プロ入り初の2桁得点となる今季10点目となった。
東京Vとしては、「立ち上がり15分以内」、「自分たちのミスから」、「DFラインでのボール回しのところ」と、第36節、37節で大量失点が続いた原因だった、最も避けなければいけない失点の形を、またしても繰り返してしまった。
しかし、失点直後の16分だった。東京VはCKのチャンスを得ると、中後雅喜のニアへのボールに、直立不動だったゴール前にいた富山の選手たちの間をスルスルと抜け出し、高原直泰が頭で合わせて圧巻の同点弾を決めた。「すぐ追いついたことで、1点目の失点はチャラになった」(中後)。
先制された傷を引きづらずに済む、非常に良い形で振り出しに戻せただけに、ここで一気にたたみかけたかった。しかし、立ち上がりから苦しむ富山の積極的で素早い前線からのプレスを、その後もなかなかかいくぐることができず、中盤からのボールは前線ではなく、後ろへのものが少なくなかった。「確かに、相手のプレスは厳しかったけれど、かいくぐる方法はあった。それができなかったのは、自分たちの力の無さ。特に、僕のところでも配球に工夫が足りなかった」鈴木は、試合前から、富山が前からのプレスに特長のあるチームだと十分わかっていたにもかかわらず、策を立てて流れの中でチャンスを作ることができなかったことを猛省した。
中後も、失点したこと以上に、「同点に追いついたあと、次の1点をいかに取るか」を、課題として挙げている。「同点になって、0で抑えている間にもう1点取れていれば、違った結果になっていたはず」先に失点しないことはもちろんだが、追いついたあと、流れが自分たちにあるうちにもう1点とって優位に立てるようにすることも、今後の大きなテーマとなりそうだ。
なかなか自分たちの思い通りにならず、東京Vが攻めあぐねる一方、富山は同点に追いつかれたあとも、決して焦ることなく意図するボール運びから流れを作っていく。すると前半36分、中盤中央でソ ドンヨクと白崎凌兵がダイレクトパスを繰り返し、縦を突破。「相手が低い位置でブロックを作ってきていたので、ヨンドクとセットでゴール前に入っていって、そこでヨンドクから斜めに良いパスが出たので、体を流しつつ、足首で(コースを)変えた。上手く(DF)2枚ともの逆をとれました」白崎の3戦連続弾となる技ありの一発で、チームを勝利に導いた。また、この決勝点がもたらした勝点3によって、富山はJ2残留が決定。非常に大きな価値あるゴールとなったのだった。
富山はこの試合、勝ち星が先行していた前半戦時の3-1-4-1-1システムで挑んだ。それがピタリとハマったと言っていいだろう。舩津徹也、木本敬介の両ワイドが縦に引っ張り、中で空いたスペースをキム ヨングン、ソ ヨンドク、そして白崎らが使い、苔口と絡んでゴールを狙という意図は、有効だったと言えよう。サイドでの縦関係も非常に機能しており、特に左サイドでの舩津をソ ヨンドクが追い越し、クロスを入れる形から何度もチャンスを作っていた。
「最初の頃勝っていた頃よりも、上積みはされていると思います。本当に練習をよくやってくれているので、十分質は上がっていると思います。じゃないと、最初の状態で白崎くんが入っても、白崎くんが死んでいただろうし、周りがレベルが上がったからシラについていけるようになっている」と、安間監督は、日頃の練習と39試合戦ってくる中で作ってきた自分たちのサッカーが、着実に進歩している実感を述べた。
一方、東京Vは「いつもできていることが、こういう状況になり、圧力のかかる形になってくるとできない試合がある」(三浦監督)。シーズンの残り数試合、もっと言えば、J1昇格がかかった大事な時点ですら、結果に出せない苦しい状況にあると言わざるを得ない。順位こそ東京Vがプレーオフ圏内入りを争い、富山が残留争い圏内にいたが、現時点でのチーム作りの進捗具合の差が、この試合の勝敗に現れたと言っても過言ではないのではないだろうか。
「それでも、残りの3試合でまだまだ良くなる可能性も十分ある。そのために、今は前向きな努力が必要だと思います」と、中後はチームの現状から目を逸らさず、最後までしっかりと前を向いて進むことを誓った。
以上
2013.11.04 Reported by 上岡真里江
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