貫く意味を考えさせられる一戦だった。試合後の会見で敗れた曹貴裁監督は選手を称え、ゴール裏のサポーターは敗れてもなお声援を送り続けていた。
F東京はホーム味スタで湘南と対戦し、2−1で逆転勝利を収めた。66分、湘南の高山薫に先制を許したが、その2分後にチャン・ヒョンスが決めて同点に。後半アディショナルタイムには、途中出場のネマニャ・ヴチチェヴィッチの劇的な逆転ゴールでリーグ3試合ぶりの勝利を挙げた。一方で湘南は、来季のJ2リーグへの降格が決まった。
湘南はこの一戦を前に、残り3試合で残留圏内となるJ1リーグ15位甲府との勝点差が9あった。勝たなければ、その時点で甲府の試合結果に関係なく降格が決定する。生き残りに向けて一縷の望みを託したのは、彼らが貫いてきた自分たちのサッカーだった。試合開始から終了まで球際で体を張り、前線から最終ラインまでピッチに立つ選手たちは足を止めず。チャンスではゴール前へと走り込み、ボールを奪われれば、必死の形相で自陣へと戻った。前半は、F東京が一方的に攻め、湘南が守る図式で進んだ。ただし、湘南は帰陣が速く、ゴール前を固めてF東京の攻撃を無失点に防いだ。
後半に入り、試合が動いた。66分、湘南はボランチのハングギョンがゴール前に抜け出し、GKと1対1になる。シュートは権田修一に阻まれたが、高山薫がこぼれ球を拾ってゴールへと突き刺してリードを奪った。この先制点は湘南らしさによって生まれた。ハーフタイムに指揮官は、選手にこう声を掛けたと言う。
「前半、何が悪かったというと、やっぱり攻撃の姿勢が足りなかった。ボールを持ってもクリアで逃げていた。本来であれば、ボールをもらえる場所に顔を出さなければいけない。それをやらなければ、開幕のときと今が同じサッカーになってしまう。それは屈辱です。パスミスがあったから、じゃあ蹴りなさいでは何も生まれない。ハーフタイムに、勇気を出してという言葉で選手たちには伝えました」
得点場面では、勇気を持って選手が前線に飛び込んできた。失点を許した権田も「あの失点は、たまたまあそこにいたからではなく、そこに走り込んでいるから決められた」と振り返った。
ただ、湘南待望の先制点から2分後、F東京が試合を振り出しに戻した。セットプレーのこぼれ球を拾ったチャンが長谷川アーリアジャスールを経由してペナルティエリア内へと抜け出ると、左足を振った。ボールはブロックに入ったDFに当たり、ゴールネットを揺らした。さらに、試合終盤には途中出場のネマニャ・ヴチチェヴィッチがエリア内でDFを交わして右足を振り抜き、決勝点を挙げた。試合開始から最後まで流動的にポジションを変え、攻撃的に戦い抜いたF東京はらしく勝利を手にした。
降格が決まった湘南だったが、最後まで自分たちのサッカーのスタイルを曲げなかった。そして、今季のF東京もまた攻撃的な姿勢を貫いてきたチームだ。開幕前から一貫して理想のサッカーを追い求めることで、何が成長し、何がまだ足りないかを実感できる。前回対戦はミスをつけ込まれ、湘南に敗れた。「勝ちきる」。その課題は、この日、しっかりと果たされた。
湘南の曹貴裁監督も「日増しに彼らもできることが増えていった。手前みそですがそう思います。足を止めずに、このまま進んで行ってほしいと思います」と言葉にしている。まだまだ両チームは成長過程にある。止まらなければ、先に進み続けることができる。J1リーグは残り2節。両者の終着点に違いはあるだろうが、まだ今季の戦いにピリオドを打つのはどちらもまだ早いはずだ。
以上
2013.11.24 Reported by 馬場康平
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