ホームでの公式戦3連戦の3試合目となる鳥栖は、3月26日にJリーグYBCルヴァンカップAグループ第2節で横浜FMと対戦。前半からJ1王者に引けを取らない戦いぶりを見せ、多くのチャンスを作るも決め切れず。後半に入ると交代選手によってギアを上げた横浜FMの圧力に屈する形で2失点。公式戦2試合連続の零封負けとなってしまった。しかし、内容はポジティブなものだった。今季は対戦相手の鳥栖対策が顕著になり、ここまで鳥栖らしいハイテンポなサッカーを表現できていなかった。しかし、この試合では鳥栖らしい形を何度も見せることに成功している。川井 健太監督も「次のFC東京戦に向けて非常に良いきっかけになる試合だった」と敗戦の中にも光明を見いだしていた。
対するFC東京は前節、ルヴァンカップEグループ第2節でホームに京都を迎えた。リーグ戦では敗れた相手に対して、15分のペロッチのゴールを皮切りに圧巻のゴールショーが開演。59分までに4点を奪うと、75分にはU-20アジアカップで得点王に輝いた熊田 直紀にもプロ初ゴールが生まれ、終わってみれば5得点で無失点の大勝を飾った。「リーグ戦でなかなかプレー機会に恵まれていない選手たちが活躍してくれて、うれしく思います。ペロッチの2ゴール、日本での初ゴールを称えたいと思いますし、熊田のプロ選手としての初ゴールも、デビューした西堂(久俊)のことも称えたいです。この間、子どもが生まれた徳元(悠平)がJ1で初アシストをしたことも称えたい」とアルベル監督も収穫に喜びを隠し切れない様子だった。
このカードで注目すべきは、鳥栖がFC東京に7連勝中と好相性を誇っている点だろう。FC東京が最後に鳥栖から勝利を奪ったのはリーグ戦では2019年の明治安田J1第3節までさかのぼるが、これは味の素スタジアムで記録したもの。アウェイでの勝利となれば、2015年までさかのぼらなければならない。FC東京としてはこの鬼門を攻略し、上位進出への勢いをつかみたいところだ。
もちろん、鳥栖も過去の好相性にすがるつもりはない。ホーム3連戦の1、2試合目で零封負けを喫しており、シーズンでもいまだ1勝止まり。「いまホームで連敗している状況なので、次のFC東京戦は特に見に来てくださるサポーターの方々にまた来たいと思ってもらえるように勝ちたい」と田代 雅也も言うように、選手たちはサポーターに対して強い責任感を覚えている。勝利から遠ざかっている状況でも声援を送り続けてくれるサポーターのためにも、ホーム3連戦の最後は勝利で締めくくりたい。
ともにボール保持と強度を生かしたボール奪取に自信を持つ両者。アグレッシブな展開が予想される中、どちらが長所で上回ることができるか。
[ 文:杉山 文宣 ]
