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「サッカーができなくなる!?」未来のJリーガーが、気候変動によるサッカーへの影響を調査!

2025年12月23日(火) 10:30

「サッカーができなくなる!?」未来のJリーガーが、気候変動によるサッカーへの影響を調査!

「サッカーができなくなる!?」未来のJリーガーが、気候変動によるサッカーへの影響を調査!
未来のJリーガーが、気候変動によるサッカーへの影響を調査!

慶應義塾横浜初等部6年生の鈴木重光さん、小暮慶翔さんが、今年の夏休みに気候変動がサッカーに及ぼす影響について調査し、その結果をまとめた作品が神奈川県統計グラフコンクールで県知事賞を受賞した。調査のきっかけとなったのは、気候アクションに取り組むJリーグが制作した一つの動画だった。

「季節を問わず暑い日が多くなってきた」

『サッカーができなくなる!?~未来のためにぼく達が今できる事~』と題し、気候変動について調べるきっかけは身近な実体験からだった。

「今年の4月ごろ、サッカーの練習中にコーチが『暑いな』と言っていて、僕も最近、季節を問わず暑い日が多くなってきたと感じていたので、その日家に帰ってすぐ調べてみました」(鈴木重光さん)。

そこで辿り着いたのが、Jリーグが制作した気候アクションのYouTube動画だった。「このまま温暖化が進んでしまうと、サッカーを含めたスポーツができなくなる深刻な事態になると感じました」と鈴木さん。同じ動画を観た小暮慶翔さんも「有名な元プロ選手が議論しているのを聞いて、気候変動の問題をより多くの人に知ってもらいたいと思いました」。動画に出演していた小野伸二、中村憲剛、内田篤人の3人の言葉に説得力を感じたという。

夏休みの自由課題として取り組んだ統計では、クラスメートや二人が所属するサッカークラブのコーチにアンケートを取って独自の視点を盛り込んだ。さらに気象庁ホームページや環境省の熱中症予防情報サイトから気温や暑さ指数の数字を拾い集め、年々、深刻さが増している気候変動の推移を分かりやすく伝えるように工夫を施した。

メインの据えたグラフでは、近年のJリーグの試合中止数と台風接近数、落雷日数、豪雨日数を調査。台風による試合中止が1試合だった2010年と比べて、特に2018年以降は試合中止数が増加傾向にあることを示した。また気候変動との相関関係として、台風接近数の増加は近年で認められなかった一方で、2024年に落雷日数と豪雨日数が大幅に増えていることを突き止め、落雷や豪雨による試合中止が「地球温暖化で今後も増える?」と推論した。

「多くの人に関心をもってもらいたい」

気候変動の統計調査をとおして実感したことがある。
「アンケートを取ってみて、気候変動について周囲の関心があまり高くないと感じました。晴れていたのに、いきなり雷が鳴ったり、大雨が降ったり、異常気象は着実に増えています。その深刻さにより多くの人に関心を持ってもらいたいです」(小暮さん)

「自分が4年生になってから、暑さと異常気象のダブルパンチで練習や試合が中止になることが増えました。地球温暖化対策として、CO2削減など大人に頼らず子どもでもできることがあると感じたので、僕はできる限り公共交通機関を使うようになりました」(鈴木さん)

二人共通の将来の夢は『プロサッカー選手』。年を追うごとに線状降水帯の発生頻度が高まるなど、異常気象による災害は増加傾向にある。その警鐘を“未来のJリーガー”が鳴らしている。

鈴木重光さん、小暮慶翔さんの作品はこちら

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左/小暮 慶翔(こぐれ・けいしょう)/慶應義塾横浜初等部6年
サッカー歴:5年目
好きなサッカークラブ:FC東京
好きなサッカー選手:佐藤 恵允(FC東京)

右/鈴木 重光(すずき・しげみつ)/慶應義塾横浜初等部6年
サッカー歴:8年目
好きなサッカークラブ:アル・ナスル(サウジアラビア)
好きなサッカー選手:クリスチアーノ・ロナウド(アル・ナスル)

■慶應義塾横浜初等部 山元顕司教諭
「統計はデータソースを集めるまでがとても大変です。期待していたインパクトのあるデータでなければ、収拾の意味がなくってしまいます。その点、彼らは手間をかけて「おっ」と思わせるデータをよく集めてきました。また、この課題は強制でなく、自由課題でしたので、よくこのクオリティにまで仕上げてくれました。算数の授業ではグラフや図など手を動かす作業を大切にしてきたので、その積み重ねが表れたと感じています」

 

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