前指揮官だったロティーナ氏の下、リーグ戦の主力組から大幅なメンバー変更を行って天皇杯に臨んできた神戸。2回戦ではJ3の富山を相手に、前半の早いタイミングで2失点を喫するというよもやの立ち上がりに。富山の堅い守りに苦しめられたが、70分に途中出場していた大迫 勇也が決めて反撃開始。最終盤にさしかかり、89分に佐々木 大樹が起死回生の同点弾を決めると、後半アディショナルタイムには再び大迫が決めて劇的な逆転勝利を収めた。さらに、3回戦でもJ2山口に先制を許す展開となったが、84分に初瀬 亮、90分に酒井 高徳が連続ゴール。2回戦に続く劇的展開でラウンド16進出を決めている。
一方の柏も、苦しい2試合となった。2回戦の筑波大戦では、椎橋 慧也ら主力組を投入して臨んだものの、高橋 祐治のゴールで1-0と辛くも勝利。J2徳島との3回戦では、リーグ戦を戦うメンバーから大きく変更して臨んだものの、開始わずか4分で失点を喫するという厳しい立ち上がり。それでもハーフタイムにネルシーニョ監督が用兵を駆使し、状況打開に動くと、51分に土屋 巧、57分に森 海渡が連続でゴールを決めて逆転に成功。徳島のポゼッションに大いに苦しめられたものの、なんとか勝ち上がりを遂げている。
カテゴリーが下のチームを相手に難しい2試合を経験した両者だが、直近の明治安田J1第21節で勝利を収めるなど、好気配を示しているのも共通点だ。
吉田 孝行監督がJ1第19節・鳥栖戦から指揮を執っている神戸は、リーグ前節・磐田戦に勝利してリーグ戦3連勝を達成し、J1残留圏内目前の16位まで順位を上げてきた。吉田監督流のアグレッシブなスタイルの下、選手個々も自身のパフォーマンスを向上させているのが特徴的で、“旋風”とまではいかないにしても、にわかにJ1に“つむじ風”を起こし始めている状況だ。
柏は開幕以来、上位に肉薄する確かな結果を出しているが、J1第18節の横浜FM戦から3連敗を喫するなどトーンダウン。上位争いを続ける上で踏ん張りどころともなったリーグ前節は、難敵・鳥栖との対戦。その中で持ち前の攻守に組織されたサッカーを見せ、武藤 雄樹がゴールを奪って1-0で勝利。熟練の指揮官の下、負の流れをストップさせている。
両者は今季、J1第17節で対戦し、柏が3-1で勝利を収めた。ただ、神戸は当時と指揮官が異なり、戦い方にも変化が見られ、違った性質をもったマッチアップとなることは必至。この試合後には中2日でJ1第22節を控えており、メンバー編成も注目材料となる。また、吉田監督はネルシーニョ監督が神戸を指揮した2015~17年途中までコーチ、ヘッドコーチとして師事しており、師弟対決としてもファンの郷愁を誘いそうだ。
[ 文:小野 慶太 ]
