前回の対戦は、当時リーグ3連勝同士の上位対決となった中、序盤はC大阪が主導権を握り、敵陣に攻め込んでいく。ただし、ここでゴールを奪えずにいると、25分、広島が最初のチャンスを生かして先制に成功。後半は同点に追いつくべく攻撃的な布陣を採ったC大阪に対し、広島は堅い守備から鋭いカウンターを次々と繰り出して2点を追加。勢いを加速させる大きな勝利をつかんだ。
明暗が分かれる結果に終わると、直近の試合でも、両チームは対照的な結果に。敵地での札幌戦に臨んだC大阪は、前半から次々にチャンスを作ると、78分に途中出場の中原 輝が自身J1初ゴールとなるゴラッソを決めて先制に成功。しかし、86分にカウンターから失点すると、90+4分、ラストプレーで2失点目。逆転を許し、今季初の連敗を喫した。
対する広島のリーグ前節は、ホームに清水を迎えた。きっ抗した展開で試合が進む中で迎えた65分、スペースへ抜け出した乾 貴士を塩谷 司が倒してファウル。VARの結果、レッドカードが提示され、広島は残り時間を10人で戦うことになった。そこからは守勢に回る時間も長かったが、途中出場の川村 拓夢がわずかなチャンスを逃さず、先制点を奪取。そして90+5分には、再び川村が大仕事。GKの位置も見定め、自陣左サイドからロングシュートを狙うと、これが見事ゴールに吸い込まれ、勝利を確信する2点目を決めた。「10人になっても2-0で勝てたことは幸運だったと思いますけど、それに値する、興奮を呼び寄せるに値する努力と情熱が自分たちにはあったと思います」とミヒャエル スキッベ監督もチームを称えた。
今季はリーグ戦で上位につけるだけでなく、天皇杯とJリーグYBCルヴァンカップでも勝ち進むなど、充実のシーズンを送っている両チームだが、直近の2試合は大きく異なる結果に。リーグ戦で首位に立った広島の勢い、確かな強さを踏まえると、今回の一戦も広島が優位な立場で臨むことにはなるが、そこは一発勝負のトーナメント。今季広島に喫した2敗を分析し、C大阪が巻き返す可能性も十分にある。さらには札幌戦後、「この2連敗を、われわれが天皇杯を獲りにいくにあたって、大きな学びにしたい」と小菊 昭雄監督が話したように、C大阪がこの一戦に相当な覚悟を持って臨むことは明白。タイトルまであと3試合。頂上がうっすらと見えてきた準々決勝。この試合が熱くならないはずがない。C大阪が三度目の正直で“打倒・広島”を果たすか、絶好調の広島が返り討ちにするか。ベスト4進出を決めるのは、どちらか。
[ 文:小田 尚史 ]


