名古屋の3回戦はJ2仙台が相手。連戦や慣れないピッチという条件も重なり、ゴール前のシーンが少ない慎重な戦いとなった。ともに90分では得点を奪うことができず、延長戦にもつれ込むと、名古屋は99分に得意のカウンターからマテウス カストロがようやく先制点を奪う。しかし、延長前半終了間際に同点ゴールを献上。延長後半もチャンスは作ったものの、決め切ることができずにPK戦に突入した。それでもPK戦ではキッカー5人全員が成功し、守護神・ランゲラックが5人目のPKをストップ。辛くも3回戦を突破した。
浦和の3回戦はJ2山形との対戦だった。スコアレスで迎えたハーフタイムにホセ カンテ、大久保 智明、伊藤 敦樹を投入して試合のリズムを変えると、64分に大久保のパスを受けた伊藤がエリア内でDFをかわし、強烈なシュートをネットに突き刺した。その後は虎の子の1点をしっかりと守り切った。
このラウンド16は、両チームともにサマーブレイク後初の公式戦となる。再開後のリーグ戦に勢いをもたらすためにも、良い試合をして勝ち上がりたいところだ。選手の休養は十分だが、名古屋は3日後に、浦和は4日後にリーグ次節が控えているため、どういったメンバー構成で臨むのかも興味深い。
名古屋は夏の移籍期間で、札幌から期限付き移籍で中島 大嘉、ユトレヒト(オランダ)への期限付き移籍から復帰の前田 直輝、J2藤枝から完全移籍で久保 藤次郎が加入している。
その中で前田はラウンド16から出場が可能。帰ってきた背番号25は「リーグ戦の前に天皇杯があることは分かっていた。そこに合わせてコンディションを調整している」と意欲的に練習をこなしている。
強烈な左足のシュートとドリブルが得意な前田が加わることで、チーム力アップが望めることは疑いようのない事実。ラウンド16では、練習では合わせられないディテールをチームメートとすり合わせるためにも、できる限り長い出場時間を得たいところだ。
一方の浦和は、宮本 優太がデインズ(ベルギー)への期限付き移籍から復帰し、安部 裕葵(スペインのバルセロナ・アトレティック)と中島 翔哉(トルコ・アンタルヤスポル)が完全移籍で、エカニット パンヤ(タイのムアントン・ユナイテッド)が期限付き移籍でこの夏に加入した。
この中で、すでにJリーグに選手登録されているのは宮本と安部の2人。2018年に鹿島でJリーグベストヤングプレーヤー賞を受賞した安部は4年ぶりのJリーグ復帰。スペインではケガに泣かされ、不本意なシーズンを重ねてしまったが、ドリブルの鋭さやチャンスメークの巧みさは鹿島で実証済みだ。
浦和は2大会ぶりの優勝を狙うとともに、リーグ戦、JリーグYBCルヴァンカップ、AFCチャンピオンズリーグプレーオフも戦うタフな日程。その中で安部がどうチームに絡んでくるのか。天皇杯がその初戦となるのかに注目したい。
[ 文:斎藤 孝一 ]