リーグ戦での立ち位置は名古屋が12位、浦和は8位となっている。浦和は現在3連勝中と好調で上位に迫る勢い。逆に名古屋は直近の5試合で1勝3分1敗と勝ち切れない試合が続き、降格の可能性がある16位とは勝点差4しか離れていない。危険水域から脱出するためにも、早めに調子を取り戻したいところだ。
ただ、その兆しは見え始めている。3日に行われた3連戦の初戦で名古屋は控え組中心のメンバーで前半に臨み、後半から主力を投入するスタイルを取った。比較的戦力を落とさず臨んできた浦和に対し、前半はあまり良い形を作ることはできなかったが、後半は立ち上がりから猛ラッシュ。交代出場のマテウス カストロと稲垣 祥がゴールに襲いかかると、マテウス カストロから仙頭 啓矢につなぎ、重廣 卓也を経て最後は右ウイングバックの森下 龍矢が決めるという、これまでにない形で同点ゴールを奪った。
長谷川 健太監督も「シゲ(重廣)と仙頭で良い形のコンビネーションが出て、そこからの折り返しでゴールになった。これまではああいう形でゴールを作ることができず、チームとしてもあのような形で得点できたことは、また1つ攻撃のオプションが増えたと思う」と、新加入選手も絡んだ攻撃に手ごたえを語った。
リーグの前回対戦で、名古屋は敵地でまったく手も足も出ずに0-3の完敗を喫していたが、浦和対策に光明が見えた。「後半に追いついた」という勢いを今回のリーグ戦にも持ち込みたい。
名古屋にとってポイントとなるのは先制点。3日の試合では前半に攻撃の迫力を出せなかったが、今回は先発からベストメンバーを組むだろう。プレスの連動も強まるはずで、良い守備から良い攻撃につなげ、先制点を奪って試合の主導権を握りたい。
一方で浦和のリカルド ロドリゲス監督は、ルヴァンカップ準々決勝第1戦について「前半は非常に良かった。得点は取れたしチャンスも危険な場面も作れていたと思う。ただ、後半に関しては相手の交代選手が勢いをもたらして(ゲームが)難しくさせられた」と振り返った。
1-1の引き分けはアウェイチームにとって決して悪くない結果だが、押し切れる場面もあったことで、やや消化不良の内容だったと感じたのかもしれない。名古屋はピッチ上に誰が立っているかによって大きく変化するチーム。選手の配置と特長を見極め、どんな対応をするのか、どのウィークポイントを突くのか、分析から勝負が始まっている。
浦和は上位を目指すためにも負けられず、名古屋は残留争いに巻き込まれないためにも負けられない。ともにオリジナル10のチームで、クラブカラーは赤。Jリーグ発足当初は苦戦の続いた間柄でもある。両チームともに30周年という記念の年に起こった同一カード3連戦。真っ赤に染まる豊田スタジアムでどんな激戦が繰り広げられるのだろうか。
[ 文:斎藤 孝一 ]
