リーグ戦を8位で終えた川崎Fは、天皇杯ではさまざまなカテゴリーに所属するクラブを倒し続け、ここまでたどり着いた。準々決勝・新潟戦ではPK戦まで突入するなど、難しい試合を勝ってきたからこそ、いまがある。
副将の脇坂 泰斗もこう語っている。
「リーグ戦で思うように結果が出なかったフロンターレが、天皇杯では勝ちを積み重ねてきた。優勝して、クラブの底力を見せる、『フロンターレはやっぱり強い』と思っていただけるような試合になればいい」 川崎Fは10月以降の公式戦10試合で負けなし。夏場まではなかなか勝ち切れないことも多かったが、現在は複数得点、無失点の試合も増えており、チームとしても手ごたえを感じている。
「(シーズン)序盤から負傷者が出ていた。いまも、(全体練習に)戻ったあとに外れてしまう選手はいる。その中でも、出ている選手、出ていない選手みんなが試合への準備を続けてきた。特にフロンターレは居残り練習をみんながやっているが、今年に関してはその成果が感じられることが増えたと思う」 チョン ソンリョンが復調の要因に挙げたのは、日頃の練習だった。鬼木 達監督以下、結果が出ない時期でもおのおのが質の向上を求め、選手も必死に続けていた。その結果が徐々に表れ、勝利という成果につながっている。
川崎Fと柏は、10月29日に行われた明治安田J1第31節で対戦している。そのときの川崎FはAFCチャンピオンズリーググループI第3節・パトゥムユナイテッド戦が行われたタイから帰国してすぐの連戦で、選手たちのコンディションが整い切っておらず、いつものテンポを出せず。それでもボールは保持していたが、縦パスをカットされたところからカウンターを食らって失点。さらに後半開始早々には遠野 大弥が退場してしまう。数的不利になったが、そこから挽回して橘田 健人のゴールで同点に追いつき、1-1で終えている。
川崎Fとしては、前回対戦同様に柏がカウンターを狙う展開になっても、焦れずに進めることがポイントになりそうだ。
柏としては、その試合のスタメンに名を連ねていた犬飼 智也と山田 雄士が前所属チームで今大会に出場していたことから、ピッチに立てない。また、ジエゴが直近のJ1第34節・名古屋戦で退場処分を受けたため、決勝は出場停止。最終ラインの顔ぶれがどうなるかは注目点となる。
川崎Fは2020年度以来、柏は2012年度以来の天皇杯制覇を狙う。会場は国立競技場で、チケットは完売。タイトルを懸けた一発勝負は熱いゲームになりそうだ。
[ 文:田中 直希 ]


