夏の中断期間以降、リーグ戦の敗戦を『1』に抑えて天皇杯決勝進出を果たすなど、シーズン前半戦からの進歩を見せていた柏。しかし、代表ウィーク明けの前節・浦和戦は悔しい完敗を喫した。前半はボールを保持されながらもチャンスを多く作らせなかったが、後半は「前と後ろで(守備の意識が)少しずつ合わなくなってきて、ギャップができてしまった」(立田 悠悟)ことで2失点。井原 正巳監督は「自信を失うことがチームにとって一番マイナスだと思う。今日の試合でもできたところはたくさんあると思うし、よりパワーを持って次の試合に臨みたい」と試合後会見で話した。柏と同じく残留争いを余儀なくされている湘南と横浜FCは前節いずれも勝利し、勝点差を縮められてしまっただけに、今節は結果がより求められる。
前節の反省点として選手たちが挙げていたのが、距離感と最終ラインの高さ。一人ひとりの距離感が遠かったために前線から連動したプレスを掛けられず、パスも思うようにつながらなかった。また「最終ラインも少し重かった気がした」と古賀 太陽が振り返ったように、ラインを押し上げられなかったことで相手FWに攻撃の起点を作られ、2列目の選手にライン間を使われた場面も散見。川崎Fにもライン間を取ることを得意とする選手、前線でボールを収めることのできる選手がそろっているだけに、課題を今節に生かしたい。
攻撃陣で言えば、前節は累積警告で出場停止だったマテウス サヴィオが復帰し、U-22日本代表のアメリカ遠征から戻ったばかりでベンチスタートだった細谷 真大も今節に向けて準備を進めている。今季12得点をマークしている細谷は、「とにかく勝つしかないし、自分の怖さをフロンターレさんに見せたい」と意気込む。攻撃の中心選手たちの先発復帰を力に変え、2試合ぶりの得点を奪えるか。
対する川崎Fは、9月から始まったAFCチャンピオンズリーグにおいてここまで3戦全勝と好スタートを切った。柏と同様に天皇杯決勝にも進出したが、リーグ戦では9位と中位に甘んじている。すでにリーグ優勝の可能性は消滅しているが、1つでも上の順位で終えて来季へとつなげたい。
注目したいのは、経験豊富な攻撃陣。前節は今夏チームに加わったバフェティンビ ゴミスが2アシストを記録し、小林 悠は鮮やかな背後への抜け出しと見事なトラップを見せて同点ゴールを決めた。ほかにも家長 昭博やレアンドロ ダミアンといった、勝負どころを知るベテランが多くそろっている。彼らの味のあるプレーも見どころの1つだ。
12月9日に行われる天皇杯決勝の前哨戦という位置づけにもなる一戦。柏が残留に向けて大きな勝点3を獲得するのか、それとも川崎Fがシーズンダブルを達成するのか。試合は10月29日(日)、15時キックオフだ。
[ 文:藤井 匠 ]
