今季、両チームの明治安田J1での対戦はすでに終えており、2戦して2分と五分。最初の対戦となった第11節、C大阪のホームで行われた一戦は開始6分、ラファエル ハットンのゴールでC大阪が先制。しかしFC東京も19分、佐藤 恵允が獲得したPKを自ら決めて同点に追いつく。その後はスコアが動かず1-1で終わったが、90分を通してみるとC大阪がFC東京の倍近くシュートを放つなど、再三決定機を得た中で仕留め切れず、ホームチームにとって悔しいドローとなった。
FC東京のホームで行われた二度目の対戦は、リーグ後半戦の初戦となった第20節。開始3分、FC東京が高い位置でボールを奪って素早くフィニッシュにつなげ、マルセロ ヒアンのゴールで先制。一方のC大阪は42分、香川 真司の目の覚めるロングスルーパスを受けたラファエル ハットンが背後に抜け出し、GKもかわしてゴールを決めて同点に追いつく。71分にはこの試合が復帰戦となった田中 駿汰が自らの復帰を祝うゴールで逆転に成功。ただし、FC東京も81分、再びマルセロ ヒアンが決めて同点に。その後はFC東京が再逆転を目指して果敢に攻めたが、C大阪も体を張ってしのぎ、2-2の引き分けに終わった。
この2試合を振り返ると、C大阪のやり方は変わっていないがFC東京はシステムが変わり、サッカーのスタイルにも変化が見られる。FC東京は、1戦目は後ろからつなぐやり方を志向するも幾度となくパスを引っかけられてピンチを招いたが、2戦目は両ウイングの突破力、1トップのマルセロ ヒアンのスピードを生かしたカウンター主体のサッカーを展開。FC東京らしい縦に速い攻撃が戻ってきた印象だ。C大阪としては負傷者が続出しているSBの人選にやや不安を抱えているだけに、突破力に長けた選手たちがそろうFC東京のサイド攻撃をいかに防げるかが、勝敗の行方を左右する大きなポイントになる。
直近のリーグ戦では、C大阪は湘南に3-3で引き分け、FC東京は浦和に3-2で勝利。前線にタレントが揃い、攻撃に優れたチーム同士、この天皇杯ラウンド16も打ち合いの予感が漂う中、両チームのストライカーに注目したい。C大阪のラファエル ハットンはリーグ戦のFC東京戦では2試合ともゴールを決めており、湘南戦でもゴラッソを叩き込むなど好調を維持。FC東京の長倉 幹樹は天皇杯2回戦・金沢戦、3回戦・大分戦と天皇杯で2試合続けてゴールを決めており、“3戦連発”に期待がかかる。
C大阪は2017年度大会以来、FC東京は2011年度大会以来となる優勝を目指す過程において、互いに今大会では初めてJ1チームと対戦するこの一戦は、1つ目の大きな山場になることは間違いない。今季公式戦三度目の対戦で“決着戦”となる一戦を制し、ベスト8にコマを進めるのは果たしてどちらか。
[ 文:小田 尚史 ]


