クラブ創設30周年のC大阪。前身のヤンマーディーゼルサッカー部時代はJSL優勝4回、天皇杯優勝3回など黄金時代を築いた。セレッソ大阪にチーム名を変更してプロ化されて以降も、現在は代表取締役社長を務める森島 寛晃氏を筆頭に、西澤 明訓氏、大久保 嘉人氏、現8番の香川 真司、柿谷 曜一朗(現・徳島)、南野 拓実(現・モナコ/フランス)ら数々の攻撃の名手を日本代表に送り出してきた。ただし、そうした“西の名門クラブ”に唯一足りない勲章が、J1のタイトルだ。それだけに、今季に懸ける意気込みは例年以上に強い。
チーム編成を見ると、昨季の主力がほぼ残留した上で、札幌から田中 駿汰とルーカス フェルナンデスを獲得。川崎Fで4回のJ1優勝の経験を持つ登里 享平も加わった。さらに目玉は、ブラジル1部リーグでも実績を残してきたヴィトール ブエノ。トップ下が本職の彼が得点やアシストを量産できれば、一気にチームの最大値は上がる。浦和から加入した平野 佑一も含め、個として確かな力を持つ選手ばかりであり、昨季のストロングポイントであったサイド攻撃を強化するとともに、中央からも攻撃の形を増やすための補強となった。レオ セアラ、香川、毎熊 晟矢ら既存選手とうまく融合し、得点力アップにつなげていきたい。
一方で、キャンプ中の練習試合では、プレスを裏返されたあとの守備に課題を残し、[4-3-3]も構築途上。さらには、非公開で行われた宮崎キャンプ最終日に進藤 亮佑が負傷するアクシデントも発生した。開幕に向けてすべてが順調に進んでいるわけではない。それでも、「最悪、勝点1でもいい、という考えはない」と田中はチームの思いを代弁する。ホームで迎える開幕戦。「勝って、良いスタートを切る。それしか考えていない」と香川も話すように、是が非でも勝点3をつかみ、戴冠への覚悟を示したい。
一方のFC東京も充実の陣容で目指すはリーグ優勝と、こちらも志は高い。昨季の途中に就任したピーター クラモフスキー監督が頭から指揮を執る今季は、小柏 剛や遠藤 渓太、荒木 遼太郎と攻撃陣を中心に補強。ディエゴ オリヴェイラ、仲川 輝人、松木 玖生ら既存選手も含めたタレントの質はJ1屈指であり、よりオフェンシブなサッカーを展開できる陣容がそろった。昨季の途中にC大阪からFC東京に期限付き移籍し、今季は完全移籍に移行した原川 力も注目の存在。C大阪としては、特にセットプレーには注意が必要だ。また、新潟から加入した高 宇洋もキーマンになる。ボール保持を志向する両チームなだけに、失ったあとのカウンター対応も重要であり、攻守の切り替えや球際の強度も勝敗を分けるポイントになるだろう。
今週はスッキリしない天候が続いた関西地方だが、試合当日の予報は晴れ。やや肌寒さも残る2月だが、両チームのサポーターが作り出す熱気でスタジアムが沸騰することは間違いない。新戦力が加わった両チームの攻撃陣に期待したい。
[ 文:小田 尚史 ]


