メジャータイトル獲得を目指す町田と、タイトル奪取が義務づけられた鹿島が顔を合わせる天皇杯準々決勝。町田も鹿島も明治安田J1で上位争いを繰り広げているため、今後のリーグ戦の行く末を占う意味でも、注目度の高い一戦だ。
本拠地の町田GIONスタジアムで戦えるアドバンテージを有する町田は、直近のJ1第27節で横浜FMと引き分け、リーグ戦の連勝は『8』でストップ。また公式戦の連勝も『11』で止まった。ただ横浜FM戦は、AFCチャンピオンズリーグエリートに出場する関係で前倒し開催となった第30節・G大阪戦から中2日で戦った影響も大きく、相馬 勇紀は「正直相手との準備期間の差は出た」と振り返った。大会が変わるとはいえ、鹿島戦も公式戦5連戦の4戦目で中3日での試合となる。短い準備期間の中でリフレッシュし、戦闘モードを整えることが重要だろう。
時をさかのぼると、2018年度の天皇杯3回戦、当時J2だった町田は鹿島に1-5の大敗を喫したことがある。試合会場は同じGスタ(当時の名称は町田市立陸上競技場)。当時のメンバーは中島 裕希しか残っていないが、長くクラブを支えてきたサポーターにとっては、7年の時を経て、あの日手も足も出なかったチームに同じ大会で雪辱を果たすチャンスを得られたことは、きっと感慨深いに違いない。
なお前述の2018年の鹿島戦では、現在も鹿島に所属している鈴木 優磨や三竿 健斗らがスタメンに名を連ねていた。特に鈴木 優磨は当時からエースの貫禄を示すように、町田相手に2ゴールを決めている。
相手の本拠地に乗り込む格好の鹿島は、直近のJ1第27節・新潟戦で2-1と、勝った上でこの試合に挑める。鹿島にとって、国内のメジャータイトル獲得は2016年が最後となっているため、天皇杯は喉から手が出るほど欲している称号だろう。川崎FでJ1を四度制覇するなど、タイトル獲得の心得を熟知している鬼木 達監督就任1年目の成果として、天皇杯獲得に並々ならぬ決意で挑んできた。
ただ、町田が2024年にJ1に昇格して以降、黒田 剛監督体制下の町田と対戦してきた鹿島は、県立カシマサッカースタジアム(当時の名称)での町田戦は公式戦2戦2勝でも、Gスタでの公式戦は3戦全敗。今度こそ黒田 剛監督体制の町田に対して、“Gスタのトラウマ”を払しょくできるかに注目だ。
試合の焦点は月並みだが、先制点が最大のポイントか。連勝街道を突き進んでいた当時の町田は、公式戦11連勝を果たした試合のうち10試合で先制点を奪ってきた。中3日の連戦であるため、スターティングメンバーは不透明だが、守護神の谷 晃生を中心に復調傾向である堅守・町田を攻略するのは、J1でトップ集団を引っ張る鹿島にとっても決して容易ではない。
機先を制した者が試合を制する――。立ち上がりの攻防は特に注目だ。
[ 文:郡司 聡 ]
