浦和がおよそ1カ月ぶりの公式戦だったのに対して、7月30日に”ひと叩き”した状態だった札幌。その差も大きく影響したのか、前線から激しくマンツーマンプレスを掛けてくる札幌に対して、浦和の対応はどうしても緩慢に見えた。リカルド ロドリゲス監督は試合前に「(新型コロナウイルスの影響もあり)期待したほど積み上げられなかった」と中断期間を振り返っていたが、それに加えて試合勘の影響もあったか。相手の圧をいなして組み立てる技量もまだ十分に積み上げられていないこともあり、一つひとつのプレーや連係もどこかぎこちなかった。
ただ、今節はそうも言っていられない。1つ試合をこなしたことで、頭と体はいくらかほぐれたはず。そうして、ホーム再開初戦で待ち受けるのは3位・鳥栖だ。鳥栖とは明治安田J1第2節以来の対戦となるが、あのときは0-2の完敗を喫した。浦和が追い求めている、前線から激しくプレスを掛け、ボールを支配し続けることを循環させるスタイル。その先輩チームに完成度の違いを見せつけられた格好だった。
しかし、あれから約半年。浦和もあのときの浦和ではない。札幌戦は休み明けの影響もあり、リセットされたような格好になってしまったが、中断前までに積み上げてきた成果を今回は見せたいところだ。
さらに当時は負傷離脱中だった西 大伍、シーズン途中に加わったキャスパー ユンカーや江坂 任といった新戦力もいる。アレクサンダー ショルツや平野 佑一、酒井 宏樹らはチームに合流してまだ日が浅く、お披露目は次節以降となるかもしれないが、成長した浦和の姿を見せることは十分に可能なはずだ。
一方、鳥栖は前節でFC東京を1-0で下して白星発進。松岡 大起が清水へ移籍し、東京五輪で活躍した林 大地はシントトロイデン(ベルギー)へと旅立ったが、チームには次世代の才能が次々と出てきている。前節は福井 太智がJ初先発を果たし、持ち味を存分に発揮とまではいかなかったが新たな一歩を踏み出した。
また、今季からFWにコンバートされ、本職かと思わせる能力を発揮しているのが酒井 宣福。今季はここまで6得点を挙げており、チーム2位のスコアラーとなっている。さらに樋口 雄太がアンカーで新境地を見いだそうとするなど、抜けた選手の穴を埋める態勢は整っている。
上位に食い込むために鳥栖としても負けられない試合だが、浦和にはもっと負けられない理由がある。今節の舞台は浦和駒場スタジアム。今季もすでにカップ戦では使用しているが、J1リーグ戦が開催されるのは実に12年ぶり。“聖地”で恥ずかしい戦いをするわけにはいかない。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
