浦和戦を終えたあとに城福 浩監督は険しい表情を浮かべ、今節に向けてこう話している。
「われわれらしく押し込んで、すぐに奪い返して2次攻撃、3次攻撃をやりたいですけど、まずは失点ゼロの試合をしないと、この苦しい状況は乗り越えられないと思う。どうやって失点ゼロで試合を終われるか。みんなで向き合いたいと思います」 広島は決して失点の多いチームではない。25試合を戦って喫した失点は『25』で、勝てていないここ5試合もすべて1失点に抑えている。佐々木 翔、野上 結貴、荒木 隼人が形成する3バックは対人に強く、非常に安定感のあるパフォーマンスを発揮しているものの、野上と佐々木はサイド攻撃に厚みをもたらす重要な役割も担っている中で、間隙を突かれて失点している。
前節も1試合を通して見れば危険なシーンはわずかしかなかったものの、一瞬、中盤に大きなスペースができたときに右ウイングバックに入った長沼 洋一と野上の背後を突かれて失点してしまっている。この“一瞬”をなくして、苦しい状況を乗り越えていきたいところだ。
大分も失点が続いている。直近5試合すべてで失点していて、4試合で複数失点を喫している。前節の神戸戦は立ち上がりにセットプレーから先制したものの、すぐに追いつかれてしまい、前半終了間際にPKから失点。87分にセットプレーの展開から突き放された。
大型補強をした神戸との一戦を終え、片野坂 知宏監督が「タフなゲームにはなったと思うが、強い神戸さん相手にしっかり戦ってくれたと思う」と選手たちを評価しているとおり、粘り強く守りながらゴールへ向かったが、要所を抑えられずにもったいない失点を喫している。
1失点目は「引いたときになかなか強くアプローチに行けずに失点してしまったので、もったいなかった」(高木 駿)。前半終了間際の失点は人数をかけて攻め込んでいった際にシュートを打てず、ボールを奪われてカウンターを受け、PKにつながっている。「良い流れの中でもう1つ点が取れれば、また違っていたかなと思う。あとはボールの失い方の悪さからの失点がもったいなかった。そういうところがゲームの勝敗を分ける大きなポイントだった」(野村 直輝)。
前節から中2日で迎えるため、両チームともできることは限られている。しっかりといまのチームの改善点を共有してチーム一丸となって戦い抜けたほうが、苦しい状況を脱する勝利をつかみ取れるだろう。
[ 文:寺田 弘幸 ]