中3日で迎える横浜FMは開幕戦を2-2で終えた。3年連続の開幕黒星こそ回避したものの、90分にこの日二度目となるCKからの失点で追いつかれ、悔いが残る結果となった。その一方、内容面に目を向ければ、3年ぶりに開幕ゴールを奪った仲川 輝人が「開幕戦のわりに内容は良かった」と語るとおり、ポジティブな要素が目立った。
昨季まで“アタッキングフットボール”を支えたチアゴ マルチンスや扇原 貴宏、ティーラトンをはじめ、昨季得点王の前田 大然ら多くの主力が抜けたにもかかわらず、64%のボール支配率でC大阪を圧倒。新たなディフェンスリーダーとしてそつのないハイライン対応を見せた畠中 槙之輔も「今季もアタッキングフットボールというか、見ている人を楽しませるサッカーをやれるところは示せた」と一定の手ごたえを口にする。
ただ、強敵を迎える今節はその真価が問われる一戦となる。ともにポゼッションを志向するだけに、ボールの握り合いでどちらに転がるかが、1つのバロメーターとなるだろう。その上で畠中は「お互いボールを持っていない時間帯の守備でもオーガナイズできるチームなので、そこをどう崩すか」とアタッキングサードでの崩しの質をポイントに挙げる。
2019年11月の明治安田J1第33節の勝利を最後に勝てていない王者を倒し、今季初勝利をもぎ取れば、今後に向けて大きなはずみがつくのは明白。「2戦目でお互いコンディションも悪くない中での試合。意地のぶつかり合いじゃないが、最後に勝った19年のときのように内容でも結果でも圧倒して勝ちにいく」。チームの大黒柱に成長を遂げた背番号4は勝点3だけを見据える。
中4日となる川崎Fは開幕戦でFC東京に苦しんだものの、終盤にセットプレーから昨季得点王のレアンドロ ダミアンが虎の子の1点を挙げて、相変わらずの勝負強さを見せつけた。その一方で、昨季中盤までの圧倒的な強さは影を潜めているように映る。昨季大ブレイクした橘田 健人、リハビリ中のジェジエウが欠場したほか、車屋 紳太郎も負傷交代しており、今節は苦しい台所事情が見込まれる。
ただ、そこは重厚な戦力を誇る絶対王者。FC東京戦でも「勝つために割り切って戦わないといけない難しい中、勝てた。勝ちながら成長していく思いは変わらない」(鬼木 達監督)と悪いなりに結果に結びつけられるのが王者たる所以だろう。
今節も鬼木監督がどうやり繰りしてモチベートし、結果にコミットさせていくのか。名将の采配は大きな注目ポイントだ。
[ 文:大林 洋平 ]

