ただ、58分から事態が一変したとはいえ、そこまで見せていたサッカーは決して悪いものではなかった。早々に失点を許しながらも、スピーディーな展開からすぐさま同点に。そして工夫を見せたセットプレーによりすかさず逆転した。
そして30分には、まさに理想的な流れるような攻撃で左サイドから右サイドまで神戸守備網を横断。しかしこの攻撃は結実せず、「自分が2点目を決めていれば終わっていた試合」と、フィニッシャーとなった松崎 快は悔いた。確かに、その後の展開はガラリと変わり、退場劇も起きなかった可能性がある。
しかし、そこを悔いても始まらない。まずは直近の明治安田J1第9節・神戸戦でできたことを自信としていくべきだろう。先のように流麗な攻撃を繰り出し、守備も神戸の崩しにある程度対応できていた。特に数的不利になってからの粘りは目を見張るものがあり、「守る」と決めたときの浦和の堅さは昨季からの大きな武器だ。
相手のビルドアップに対しても、セルジ サンペールの列を下りる動きに苦労しながら、しっかりと攻撃の方向を誘導できていたシーンも複数回あった。G大阪も今季から片野坂 知宏監督を招聘してビルドアップに取り組んでいるが、現在の彼我の練度なら問題なく対応できるだろう。
そのG大阪は、開幕戦となった鹿島戦に引き続き、JリーグYBCルヴァンカップ初戦のC大阪戦でも3失点を喫しての連敗。鹿島戦は前半でパトリックが退場、C大阪戦はメンバーを大幅入れ替えとエクスキューズはあるが、状態は芳しくないと言える。
ただ、両チームの喫緊の課題は守備よりも攻撃だろうか。開幕2戦を消化していくつかのゴールは生まれたが、お互いまだFWの選手が得点を挙げられていない。その上、今回は浦和が明本 考浩、G大阪がパトリックと双方がキーマンを欠く状態にある。
浦和はFUJIFILM SUPER CUPで2ゴールの江坂 任がまだ不発。さらにはキャスパー ユンカーの状態がまだ上がっておらずベンチ外が続いている。この2人の復調が何より求められるし、ルーキー・木原 励の奮起にも期待がかかる。G大阪側で期待されるのはやはり、レアンドロ ペレイラの技術やルーキー・山見 大登の勢いだろうか。互いに初勝利を目指しつつ、「今季のスコアラーは俺だ!」という選手の活躍が注目される一戦となる。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
