ルヴァンカップは昨年12月まで片野坂監督が指揮を執った大分に勝ち切れなかったものの、過密日程を考慮し、ターンオーバーを実施。ルーキーの坂本 一彩がプロ初先発を飾っただけでなく、片野坂監督が大きな期待を寄せる齊藤 未月も加入後初先発を果たし、前半のみだが持ち味の一端を披露した。
「決して悪い内容ではなく、悪い試合でもなかったと思います。川崎F戦につながるゲームができた」と片野坂監督は敵地で手にした勝点1に手ごたえを口にした。中3日で迎える川崎F戦はリーグ戦の連勝だけでなく、ホーム初勝利を懸けた大一番になる。
浦和戦に先発した主力の大半をルヴァンカップで温存したG大阪は、川崎Fに対して日程的に有利な状況にあるが、過去の戦績は圧倒されている。現在、公式戦でG大阪は川崎Fに6連敗中。攻撃力、チーム戦術の浸透度を含めて力の差を見せつけられてきたが、負の歴史にピリオドを打つべき一戦が今回の顔合わせである。
期待感を裏付ける根拠は、やはり片野坂監督の存在だ。今季は3バックをベースにチーム作りを進めてきたが、大分戦では今季初めて4バックを採用。「実質1日ぐらいしか準備ができない中で選手がやってくれた」と指揮官は“突貫工事”に手ごたえを口にしていた。片野坂監督は大分を率いた昨年の天皇杯準決勝で川崎FをPK戦の末に撃破。4バックを採用し、川崎Fの強みを消しつつ好ゲームを見せている。
「相手に応じて4バックも採用する」と1月の始動から選手に伝えてきた片野坂監督にとっては腕の見せどころとなるが、採用するフォーメーションにも注目だ。
リーグ戦の5連戦目となる川崎Fは負傷者や新型コロナウイルス感染症の影響もあって苦しいやり繰りが続いているが、直近の明治安田J1第10節は浦和に2-1で逆転勝利を飾った。その勝負強さは、連覇中の王者ならではと言えるだろう。天皇杯で苦杯を舐めた片野坂監督の分析力は熟知しているはずで、鬼木 達監督との頭脳戦も見どころだが、レアンドロ ダミアンや家長 昭博ら攻撃のタレントの質はG大阪を上回っている。波乱含みのリーグ戦で、川崎Fとしても勝点3を手にして首位固めといきたいところだろう。
地力では川崎Fが上回るが、今季のG大阪を率いるのは多彩な策を持ち合わせる片野坂監督。ホーム初勝利以上の意味を持つ、G大阪にとっての大一番になる。
[ 文:下薗 昌記 ]
