迎え撃つ側のFC東京は開幕から8試合を終え、4勝2分2敗と順調な滑り出しを見せている。「今季は積み上げのシーズン」と事あるごとに言いながらも「勝ちながら成長していく」ことを目指すスペイン国籍の指揮官の下、チームは着実に勝点を積み重ねている印象だ。勝点獲得に大きく貢献しているのが、ディエゴ オリヴェイラやアダイウトン、永井 謙佑や紺野 和也といった強烈な個を持つアタッカーたち。昨季までと比べて、最終ラインから自分たちでボールをつないでいく意識の高まりは感じる。だが、まだまだ完成度は高くなく、フィニッシュの局面で選手それぞれが持つ破壊力と決定力に頼る部分は大きい。
まさにその部分は、長谷川監督体制時の最大の強みであり、その面影はいまのチームにも十分に残っていると言えるだろう。そう考えれば、選手個々の特徴を知る指揮官が相手ベンチにいる中で、FC東京がどのようにゴールに迫っていくかが1つのポイントになりそうだ。現在、FC東京は2試合連続スコアレスドローの状況もあり、ゴールに飢えている選手は多い。長谷川監督が敷いてくる守備網を切り裂き、3試合ぶりに勝点3をつかめるか。
対する名古屋はなかなか波に乗り切れていない印象だ。前任のマッシモ フィッカデンティ監督から引き継いだ長谷川監督の下、堅い守備をベースに攻撃に出ていくスタイルに大きな変化はないものの、その引き継ぎで少し歯車がかみ合っていないように映る。「堅守」と一口に言っても、監督により守備組織の構築方法にそれぞれ違いがあるわけで、いまはすり合わせの段階なのかもしれない。
ここ最近の公式戦では丸山 祐市が長期離脱から復帰し、中谷 進之介と藤井 陽也、あるいは宮原 和也との3バックに変更するなど、最適解を探っている様子は伝わってくる。前線にはタレントがそろっているだけに、チーム全体の戦い方がきっちりと定まれば浮上のきっかけはつかめるだろう。長谷川監督にとって思い出深い地である味の素スタジアムでそれをつかみたい。
お互いのスタイルや特徴、選手の質を考慮すれば、ロースコアの展開も点の取り合いも想像がつく。よりアグレッシブにプレーし、勝利を引き寄せるのはどちらのチームだろうか。
[ 文:須賀 大輔 ]
