現在16位に低迷している浦和。低空飛行が続きながらも迷走しているわけではないことが、より状況を難しくさせているかもしれない。ボール保持とチャンスの創出はできており、ピンチの数を抑えられているぶん失点もリーグ2位の少なさ。ただ1つ、3試合連続無得点により1試合平均1得点を下回ってしまった、得点力不足だけが深刻な状態だ。
ボールを保持できている時間と比してチャンスが少ない、チャンスの数に比して決定機が少ないことは昨季からの課題でもあるが、昨季から向上している部分でもある。
「どの試合でもわれわれにとって有利な数値が出ていますが、最後のところで点を取ることだけが足りていません。去年はあまりチャンスを作れなくても、例えばキャスパー(ユンカー)が点を取って勝つような試合もありました。今年はチームとしてより良いプレーができていますが、決め切れていないと言えます」(リカルド ロドリゲス監督) いま求められるのは、決め切る力をどう高め、発揮していくか。今季も多くの選手が入れ替わったが、シーズンが始まってから加入した外国籍アタッカー陣を含め、徐々に呼吸と連係は合ってきた。ただ、それがピタリと合うのを待つための時間は徐々になくなってきている。
今節は3位につける横浜FMが相手だが、逆にここは好機かもしれない。ここまでの試合とは違って押し込まれる時間も増えることが予想されるが、浦和にはキャスパー ユンカーをはじめ、ダヴィド モーベルグ、松尾 佑介ら速攻でも威力を発揮するアタッカーがそろっている。
押し込んで決め切れないのなら、逆にカウンターの一刺しで。昨季のJ1第36節・横浜FM戦も割り切った戦い方を選択したわけではなかったが、守勢に回らされた結果が有利な展開と勝利を呼び込んだ。今節を浮上の契機として、上位との対戦が続く連戦を乗り切りたい。
一方の横浜FMは好調だ。ケヴィン マスカット監督は「自分たちのサッカーという意味ではもっともっとできる部分が多かったと思う」、「まだまだできる部分は多いと思っている」と2試合続けて振り返ったが、内容に課題を抱えながらも、AFCチャンピオンズリーググループステージを戦ったベトナムから帰国して2連勝。結果を出しながらチームを積み上げるという理想的な展開だ。今節勝利すれば首位・鹿島が勝点差1の射程圏内に入るため、モチベーションも高いだろう。
浦和にとっては厳しい状況での厳しい相手だが、どのみち上位を叩いて差を縮めないことには、優勝という目標は遠ざかる一方だ。5月で“終戦”とならないためにも、この連戦を勝ち続けて乗り切るしかない。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
