鳥栖は現在、今季ここまでで最も苦しい時期を過ごしている。7月初戦の明治安田J1第19節・神戸戦は0-2で敗戦。続く前々節・川崎F戦は、新型コロナウイルス感染症の陽性判定者が複数名出た影響でチームが活動停止となり、中止に。そして前節・柏戦では0-1で敗戦と、リーグ戦で今季初の連敗を喫してしまった。さらに、水曜日に行われた天皇杯ラウンド16でも下位カテゴリーの甲府を相手に1-3の敗戦を喫して、これで公式戦3連敗。スペースを消されて攻めあぐねると自分たちのリズムを失い、淡泊な失点をしてしまうという悪い流れに陥っている。新型コロナウイルス感染症による離脱者やチームの活動停止に加え、選手が移籍によってチームを離れるなどリソースが限られた状態で連戦をこなしており、フィジカル、メンタルの両面でダメージを抱えてしまっている。
対する横浜FMは前節、敵地でC大阪と対戦。アウェイのC大阪戦は2011年を最後に未勝利と苦手としていたが、その相性が示すかのように2点を先行される苦しい展開に。しかし、終盤に怒とうの猛攻を見せ、レオ セアラの2発で引き分けに持ち込んでいる。連勝こそ『6』でストップしたが、簡単には屈しないスピリットと質の高いアタッキングフットボールはさすが首位。底力を示してみせた。
ともに“超攻撃的”とも言える姿勢を標ぼうしている。一つひとつのプレー強度や球際のぶつかり合いなど、サッカーの原点と言うべき部分でのバチバチとしたやり合い、そして互いの長所をぶつけ合う真っ向勝負となるだろう。前回対戦は強雨と寒さという荒天が大きく影響したこともあり、ともに持ち味を発揮しづらいコンディションだっただけに、“今回こそ”はリーグ屈指の高強度真っ向勝負に期待したいところだ。
ただ、鳥栖にとって難しいのは、やはりコンディションだ。リソースが限られた状態で連戦をこなしているだけでなく、その連戦が中2日間隔での3連戦であること。ホーム、アウェイ、ホームという順番で、甲府への往復の移動も挟んでいる。連敗中だからこそ、修正を図りたいが、準備期間も極めて限られており、フィジカルコンディションの回復を優先せざるを得ない状況だ。鳥栖のサッカーを展開する上で欠かすことのできない運動量、特に横浜FMが相手ということでその部分がより重要になってくるが、極めて厳しい条件になっている。
横浜FMにはエドゥアルド、高丘 陽平、水沼 宏太、中林 洋次といったかつて鳥栖でプレーした選手が多く在籍する。特に水沼は日本代表に初選出されて最初の試合が古巣との一戦になる。背番号18のプレーには鳥栖のサポーターも熱い視線を注ぐだろう。
苦境に立たされる鳥栖だが、そういった状況のときこそ、力を発揮してきたのも鳥栖というクラブ。難局を乗り越え、トリコロール撃破を果たせるか。それとも、横浜FMが首位独走の態勢を築くか。
[ 文:杉山 文宣 ]
