FC東京は8月の公式戦がリーグ戦2試合のみ。8月27日に行われた前節・柏戦は、内容乏しく敗れた7日の第24節・清水戦から一転して、充実の内容を披露した。試合がなかった期間にチーム全体で目指す方向性やスタイルを再確認し、トレーニングで実践。選手間でも積極的に対話を繰り返しながら連係を深めてきた。その成果がピッチ上に表れたのが柏戦で、前半の45分はパーフェクトに近い展開で相手を圧倒。松木 玖生とバングーナガンデ 佳史扶が決めたゴールはともに相手を揺さぶった形から奪ったものであった。
主導権を握られて3失点を喫した後半のゲームコントロールはまだまだ課題として残るが、それを上回る得点力を得意なカウンターから発揮し、今季最多の6得点を奪って勝ったことは評価できる。チーム発足からおよそ8カ月、“アルベルトーキョー”が1つの形を示した試合となった。
アルベル監督も手ごたえを持ったゲームであったことは間違いなく、今節に向けては「マリノスは良いチームだから首位を走っていたと思いますし、サイド攻撃が武器であることは把握している」とリスペクトを払いながらも、「われわれにはわれわれのやるべきこと、方向性があります。引き続きチームの成長を促していくことが私の目指すものであり、この試合に対してまったく別の戦い方を選択することは考えていない」と意気込んでいた。
柏戦で高いパフォーマンスを見せた紺野 和也が「距離感も良くなってきていますし、どこが空いていて、どこのスペースを狙うかの共通認識が出てきている。それが段々と浸透してきて、うまくボールが回り始めている感覚は出ていると思います」と話すように、選手たちにもスタイルが浸透してきている実感はある。ここで上位チームを撃破し、上を目指す力があることを証明したい。
一方の横浜FMは、8月7日以来のリーグ戦となる。
8月のリーグ戦は1試合のみだったが、JリーグYBCルヴァンカップ準々決勝とAFCチャンピオンズリーグを戦っていた。前者は広島とのホーム&アウェイの対戦で連敗を喫して敗退、後者もノックアウトステージ初戦となるラウンド16で神戸との接戦を落とし、短期間で2つのタイトルを失うこととなってしまった。
メンタル的に難しい状況であることは承知だが、裏を返せばここからはリーグ戦に集中できるということであり、そのショックを引きずっているようであればリーグ優勝も難しくなってくるだろう。今節はリバウンドメンタリティーが試されるゲーム。チーム一丸となりトリコロールの意地を見せつけたい。
[ 文:須賀 大輔 ]
