前節までアウェイ3連戦を戦っていた鳥栖は、今節が4試合ぶりのホームゲームとなる。アウェイ3連戦では1勝2敗と負け越し。前節のC大阪戦は先行される苦しい展開の中、終盤に追いつく粘りを発揮した。最後まで勝ちにいった結果、終了間際に失点を喫したが、川井 健太監督は「選手たちが大人なところを持ち始めた」と評価。追いかける展開の中でシステム変更やポジションチェンジを行い、選手たちがしっかりとアジャストしたことがその評価の要因となっている。C大阪の出来が素晴らしかったこともあり、潔く負けを受け入れた中、チームは明るい材料に目を向けているようだ。
対する鹿島は前節、アウェイで京都と対戦。天皇杯準々決勝から中2日ということで、天皇杯から先発7人を変更した。早い段階で失点を喫し、追いかける展開となったが、後半に選手交代から巻き返しを見せ、ゴール前での鮮やかなコンビネーションからディエゴ ピトゥカの得点で追いつく。勢いそのままに終盤は猛攻を見せるが、京都のゴールをこじ開けることはできず、引き分けに終わっている。岩政 大樹監督の就任以降、リーグ戦は1勝3分1敗となった。
両者の前回対戦は非常にインパクトの強いゲームだった。49分で鳥栖が3点をリードし、勝利は確実かと思われたが、そこから鹿島が怒とうの反撃を見せる。68分までに2点を返すと、90+2分、+4分に立て続けの得点で逆転に成功。鹿島の大逆転劇で終わりを迎えるかと思われたが、終了間際にCKから田代 雅也が押し込み、鳥栖が追いつく。4-4というスコアもさることながら、互いに意地をぶつけ合う展開は今季のリーグ前半戦の中でも印象強い試合だった。
また、この試合は学年で言うとJ1最年少監督同士の戦いとなる(川井監督は1981年生まれ、岩政監督は1982年の早生まれ)。ともに確固たる信念の下で新たなスタイルを作り上げようとしている青年監督同士。川井監督はシーズン当初から指揮を執っていることもあり、チームは着実な進化を遂げている。一方の岩政監督も就任から日は浅いが、さまざまなシステムを採用し、数多くの選手を起用するなど、チームに新しい風を吹かせている。両チームの現在地、そして両指揮官の采配も大きな注目ポイントだろう。
鳥栖はまだAFCチャンピオンズリーグの出場権獲得をあきらめていない。難敵の鹿島を攻略し、シーズン残り5試合へ勢いをつけたい。
[ 文:杉山 文宣 ]
