磐田は残留に向けて苦しい状況に立たされている。現状、残留ラインの15位とは6ポイント差まで広がり、残り6試合で獲得できる最大勝点が『41』。ただ、勝点41を獲得しても、2018年にはJ1参入プレーオフに回っている。残留の希望をつなぎ止めるためには、勝ち続けなければいけない状況に追い込まれている。
もちろん勝つためにはゴールが必要で、攻撃面の課題もある。しかし、それ以上に3ポイントから遠ざかっている直近5試合は、前半の失点が自分たちの首を絞めていることが否めない。前節・札幌戦、直接FKから喫した先制点は防ぎようのないゴールでもあったが、立ち上がりから後手を踏んでいた守備の対応を見れば、あのFKを与えたこと自体が必然だった。J1基準の強度に苦しんできた今季、その課題を克服するために球際への激しさは意識しなければいけないが、その判断とタイミングはあらためてクリアにしていかなければいけない。
しかし、磐田は札幌戦でようやくケガから帰ってきたリカルド グラッサが一発退場。攻撃のジョーカーであるファビアン ゴンザレスも不用意なファウルで警告を受け、今節は攻守の頼みの綱が出場停止。さらに14日には選手に5名、スタッフに4名の新型コロナウイルス感染症の陽性者が発覚し、今節のメンバーをどの程度そろえられるか分からない。まさに手負いの状況で勝点3を目指さなければいけない。
対するC大阪はミッドウィークの明治安田J1第26節・浦和戦に1-0で勝利。相手が陣形を整える前に素早く始めたFKから、一気にドリブルで持ち運んだ為田 大貴のクロスを加藤 陸次樹が仕留めて、したたかに勝ち切っている。この結果を受けてAFCチャンピオンズリーグ出場圏内浮上も視界に捉えている。中2日で迎える日程面では磐田にアドバンテージがあるが、その厳しい状況でもモチベーション高く磐田に乗り込んでくるはずだ。
特にC大阪は、GKキム ジンヒョンからのフィードをビルドアップの1つの形として組み込んでいる。そこに必要以上にプレスをかければ、一気に裏返される危険性がある。さらに言えば、そのフィードをはじき返したセカンドボールをいかに拾えるか。札幌戦でも露呈した課題を克服することが磐田には求められる。
磐田にとってはかなり苦しい一戦になるだろう。それでもピッチに立つ選手たちには意地がある。そして伊藤 彰前監督から渋谷 洋樹監督へとバトンをつなぎ、サッカーの大枠を変えることなく、チームとして積み上げてきたものは確かにある。残留のために、「勝たなければいけない」「課題をクリアしなければいけない」「選手が起用できない」。そんなことは一度頭から忘れ、ピッチに立つ選手たちが1つとなって、最大限のパワーと強い気持ちで臨めるか。その姿を見せられることを期待するしかない。
[ 文:森 亮太 ]
