ホームでの連戦を戦っている神戸。天皇杯準々決勝の鹿島戦には敗れたが、第29節の名古屋戦でアグレッシブな戦いを披露してスコアレスドローで終えると、直近の第26節はFC東京に2-1で勝利した。
リーグ戦におけるホーム戦勝利はおよそ2カ月ぶりとなり、試合後にはサポーターと喜びを分かち合った深紅の軍団。その機運を着実に継続させたい今節であり、残留を成し遂げるためにも負けることは許されない。1週間のインターバルがあったG大阪とは異なり、ハードスケジュールによる疲労感はぬぐえない。ただ、走り切り、戦い切ったFC東京戦後、酒井 高徳は強い覚悟を胸にこう言葉を寄せた。それはチームの誰もが抱く総意だろう。
「残り6試合が終わればいくらでも休める。キツいとは言っていられない。自分たちでこの状況を抜け出すしかない。誰かがキツいときに自分は走りたいし、自分がキツいときに誰かが走るということをチームが連動してできるようになれば、今日みたいな試合ができる。そうすることでこの残留争いがポジティブなものになる。全員で意思疎通してやりたい」 その一方、敵地に乗り込むG大阪にとっても負けることは許されない一戦だ。
松田 浩監督が就任して以降、2勝1分2敗と五分の成績となっているが、そのうち3試合が無失点と松田監督流の守備戦術は着実にチームに落とし込まれている。[4-4-2]のブロック守備を軸としつつも、10日の前節・FC東京戦では果敢なハイプレスを実行して機能させるなど、守備の使い分けをチームとして上積みできているのは大きい。神戸よりも1試合多く消化しており、優位性を維持するために勝点3獲得は大切なミッションとなる。
このマッチアップを想定すると、まずは相手の守備をいかに攻略するかがポイント。両チームとも直近の相手はFC東京だったが、つなぐ相手に対してハイプレスで挑んだ。プレッシャーの掛け方などには違いも見られたが、奪いにいくか、誘い込むか、守備でのハメ方は注目点。残留争いを繰り広げる中で、守備を土台に立て直しを図ってきた両者だけに、ハードワークを前提に守備の集中を持続させることは最大のテーマだ。
また、両者ともビルドアップではつなぎと同時に長いボールも効果的に駆使するが、明確なターゲットマンのいるG大阪が個対個のミスマッチを突きやすいのに対し、大迫 勇也の出場が不透明な神戸は背後を取る動きを含めてセカンドボールの回収までを徹底させたいところ。神戸や長崎で共闘した吉田 孝行監督と松田監督による用兵などベンチワークも注目される。
興奮の瞬間が続出すること必至のサバイバルマッチには、どんな結末が待っているのか。サッカーファンを魅了する90分となることは間違いない。
[ 文:小野 慶太 ]
