神戸が好発進を切っている。
開幕戦をノエビアスタジアム神戸で迎えた神戸は、3バックの布陣を敷いた福岡に手を焼いた。ただ、「選手たちには『とにかく我慢しろ』と。『失点ゼロでいけばウチは絶対に点が入るから信じてやってほしい』と試合前から言っていた」という吉田 孝行監督の指揮の下、堅守攻略に辛抱強くトライ。そして新加入のジェアン パトリッキが決勝ゴールを奪い、開幕白星を飾った。
昨季は序盤戦から苦しんだ。リーグ戦の勝星は開幕戦からおよそ3カ月後、12試合目まで待つことになったが、その負の記憶を一掃し、新たなシーズンでの巻き返しへ強い意志を表明したのが今季の開幕戦だった。その原動力となったのは昨季途中に指揮官に就任し、攻守にアグレッシブで組織的に戦うスタイルを落とし込んできた吉田監督のマネジメント。その継続性をベースとした今季、指揮官は『競争と共存』のテーマをチームに落とし込み、続く前節・札幌戦はアウェイで3-1の快勝を収めた。
この2試合はいずれもケガ人等に悩まされたが、出場した選手が着実に自身の持ち味を発揮したことは見逃せない。主力CBと目されるマテウス トゥーレルと菊池 流帆がアクシデントのため欠場しても、山川 哲史と本多 勇喜が存在感を発揮。2試合でPKによる1失点に抑える堅固な守備をリードすれば、新加入の齊藤 未月はすでに中盤の汗かき役として欠かせず、前節はエース・大迫 勇也に今季初ゴールが生まれた。まだ一部の主力選手の状態に不透明さは残っているものの、チーム力の高まりを感じさせている。
一方、神戸同様に昨季は大いに苦しんだG大阪。松田 浩前監督の下で残留を成し遂げ、今季から新たにダニエル ポヤトス監督が指揮を執っている。
アウェイで迎えた柏との開幕戦を2-2のドローで終えると、ホーム開幕戦となった前節・鳥栖戦も1-1で引き分けた。内容を見ると、後方からつなぐサッカーを見せる一方で、相手陣内のスペースをシンプルに突くなど、したたかさも落とし込まれている様子。前節で初先発を飾ったイスラエル代表MFのネタ ラヴィが質の高さを示すなど、明るい材料は少なくない。ただ、負けてはいないが、勝ててもいない。明と暗どちらにも転びやすい状況だけに、早く今季初勝利を挙げて上昇の機運を盛り上げたいところだ。
神戸は守備では[4-4-2]、攻撃では[4-3-3]に可変するシステムを昨季からベースに置いているが、前節は攻守ともに大迫と武藤 嘉紀が2トップを組む[4-4-2]の布陣を採用している。G大阪も攻撃は[4-3-3]、守備ではインサイドハーフのうち1人が前線のプレスに加わる可変型の布陣を敷く。戦術的な駆け引き、J屈指のタレントによるせめぎ合いなど、多くのサッカーファンをうならせるハイレベルな攻防に期待したい。
[ 文:小野 慶太 ]
