鳥栖は前節、アウェイでC大阪と対戦。前半は立ち上がりから優勢に進めたが、ビルドアップのミスから先制点を奪われてしまう。失点のショックを引きずったのか、後半も立ち上がりの早い段階で失点を喫してしまい、さらに難しい展開となってしまう。システムを4バックに変え、反撃を試みるも終盤に本田 風智が1点を返すにとどまり、連勝とはならなかった。
対する神戸の前節はホームで浦和と対戦。前半は出足の鋭さに優る浦和相手にやや劣勢を強いられると、ロングボールからのシンプルな攻めから失点。後半は主導権を握り返すも、集中して守る浦和のゴールをこじ開けることができず。今季初の敗戦を喫してしまった。
ともに前節は敗れているだけに勝利が欲しい一戦だが、チーム状態は明暗が分かれていると言えるだろう。鳥栖は攻撃的なスタイルを標ぼうしながら、開幕からやや後ろ重心の戦いが続いている。開幕からの4試合すべてで得点を記録しているが、複数得点はいまだなし。チームとして攻守に前への強いベクトルを取り戻す必要があるだろう。
対する神戸は前節、今季初黒星を喫したとはいえ、内容はそこまで悲観するものではなかった。開幕3連勝という結果が示すように、開幕から長い期間苦しんだ昨季とは違い、昨季途中から就任した吉田 孝行監督の下、粘り強い守備をベースに前線の優れたタレントたちの決定力を生かすチーム作りが奏功している。
現在、このカードは神戸が直近9試合で7勝2分と好相性を誇っている。鳥栖が最後に神戸に勝利したのは2018年の天皇杯ラウンド16。岩崎 悠人も神戸の印象を聞かれて「相性の悪い相手と言われますが」と表現したように、選手たちも近年神戸に勝っていないことは意識の中にあるようだ。鳥栖の最大の武器であるスペースを生かしてのハイテンポなサッカーに対して、しっかりとスペースを消しながら鋭い攻めを展開できる神戸のスタイルは大の苦手。とはいえ、岩崎は前述の言葉のあとに「自分たちのやるべきことは変わらない」と続けている。鳥栖本来の攻撃的なスタイルを取り戻し、神戸を打ち破って波に乗りたいところだ。
「守備ではハードワークをしますし、神戸さんは本当に良いチームだと思います。ただ、われわれがそれをどういうふうに打ち崩していくか、かいくぐるか。もしくは一度奪われても取り返せば問題ないわけで。そういうメンタリティーで臨めるかどうかの勝負だと思います」。川井 健太監督は勝負のカギに勇敢なメンタリティーを挙げた。苦手とする相手に鳥栖は恐れを消して挑むことができるか。ホームで腰の引けた戦いを見せるわけにはいかない。鳥栖の選手たちよ。奮い立て。
[ 文:杉山 文宣 ]
