これを記念して、浦和は今節のゲームを『新・埼スタ開幕ウェルカムデー』として開催。あまりスタジアムに足を運ばない人にも来場してもらいたい意図から、ファミリーシートなど一部席種の特典を増強。ファミリーシートはコロナ禍以降最多の売れ行きで、バックロアーの席種はほぼ完売状態だという。
さらには、来場者全員プレゼントや新グルメなど、企画が目白押しだ。そして埼玉スタジアム2002もリニューアルされ、新たな姿で選手とファン・サポーターを迎える。バックスタンドロアーにはLED看板が設置され、16カ所のトイレを改修。利便性を高めたうえ、一部は赤・白・黒の浦和レッズカラーに染め上げられた。
さらにはホーム開幕がずれ込んだ最大の理由である、芝生の全面張り替えが実施された。20年以上に渡ってJリーグや日本代表の試合が開催されてきた中、ピッチ面の不陸や地温コントロールシステムの老朽化が進み、コンディションが低下していた埼玉スタジアム2002。昨年11月から工事が始まり、先月新たな芝が敷設された。
これに伴い、浦和は12日の練習を普段のさいたま市大原サッカー場ではなく、埼玉スタジアム2002で実施。新しい芝の状態を確かめながらトレーニングを進めた。副主将の岩尾 憲はピッチの感触について「(昨年までと)違いますし、アジャストしていきたいです。今日のトレーニングではそこまで苦労していませんので、おおむね大丈夫です」とコメントしている。
芝生の張り替えに伴い、ピッチ埋め込み型のスプリンクラーも設置された。これまではピッチ外の散水機から放水を行っていたため、芝生の濡れ具合や土壌への吸収度合いも少し変わってくる。いち早く新たなピッチに対応できるかは、今節のポイントの1つになるだろう。
そして何より、コロナ禍以降、初の来場可能上限100%、全席声出しでの開催となる。昨年は制限ありの状態でもピッチにパワーをもたらしていたあの声援が、ついにMAXで帰ってくる。ここ2、3年で加入した選手たちが、未経験の応援に戸惑うことなく力に変えられるかも焦点だ。
数少ない経験者となった興梠 慎三は「ひさびさにあの声援の中でできると考えたら、すごく高ぶるものもあります」と期待を膨らませつつも、「でも、前の試合で連勝がストップしてしまったので。ここからズルズル行かないように、今節が重要」と気を引き締める。前節・名古屋戦はスコアレスドローだったが、互いに2、3回の決定機があり、どちらに転んでもおかしくなかった。
今節の相手は、興梠が昨季所属したマンツーマン戦術の札幌。「個々の戦いになるので、1対1で負けないように。一人ひとりの出来が問われる」と恩師・ペトロヴィッチ監督が率いるチームを意識しつつも、普段通りの自然体だ。
札幌はここまで、2勝3分2敗と上々のスタートを切っている。リーグ2位タイの得点数かつワースト3位の失点数から分かるように、派手な試合を続けているが、それこそが札幌の真骨頂。どうあっても自らのペースに巻き込む特殊性のある札幌に対して、ここまで手堅い勝利を重ねてきた浦和がどのように対峙するかも注目される。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
