鳥栖は直近の明治安田J1第9節、アウェイでの京都戦に臨んだ。立ち上がりから京都のハイプレスの前に劣勢を強いられ、21分、その流れのままに失点。イヤな雰囲気が立ち込めたが、直後に原田 亘からのクロスを小野 裕二が仕留めて同点に追いつく。これで逆に勢いをつかんだ鳥栖は、32分にCKからオウンゴールを誘発し、逆転に成功。さらに前半終了間際にも小野のクロスから本田 風智が3点目を奪う。後半は開始早々に退場者が相手に出たが、数的不利となった京都がそれでも果敢に前に出たことで難しい試合運びを強いられてしまう。それでも、京都の反撃をPKによる1点にとどめて、逃げ切りに成功。今季最多の3点を奪う逆転勝利で、今季3勝目をアウェイから持ち帰っている。
対する横浜FMは前節、ホームで名古屋を迎えての上位対決に臨んだ。強い風が吹く中での試合で難しさを強いられると、41分に失点。リーグ屈指の堅守を誇る名古屋相手に先制を許す苦しい展開となってしまう。それでも、後半に入るとマンツーマン守備を続けていた名古屋の守備強度が落ち始めたところを見逃さず、主導権を奪い返す。前半と打って変わってペースを握ると、72分、喜田 拓也にゴールが生まれて同点に追いつく。その後も逆転ゴールを目指して攻勢をかけたが、次の1点を奪うことはできず。上位対決らしい見ごたえのある試合を展開したものの、勝点1に終わった。
両者の対戦は今季二度目。最初の対戦となったJリーグYBCルヴァンカップAグループ第2節は、横浜FMが2-0で勝利している。両者ともに攻守にアグレッシブなスタイルが持ち味なだけに、立ち上がりから激しく攻め合い、どちらもチャンスを作り続けたが、終盤に途中出場の植中 朝日と吉尾 海夏が得点を奪う。交代選手の活躍という総合力の差で横浜FMが上回り、熱戦を制した。
近年は攻撃的スタイルの真っ向勝負で見ごたえのある試合を演じ続けているが、鳥栖が横浜FMに対して勝利を挙げたのは2018年のJ1第33節までさかのぼらなければならない。鳥栖はこの試合を最後に公式戦4分5敗。小野も「やり合っているゲームは多いですが、結果を見るとこっちが点を取れていないというところはあると思います。最後の部分、個にかかってくる部分というのはまだまだ差があるのかなと思いますが、そこを少しでも埋めていけるように練習からしっかりやっていきたい」と話す。過去の対戦でもチャンスの数では五分五分ながら、決め切る差で苦汁をなめさせられてきただけに、その精度が勝利へのカギを握る。
「強度の高い試合になるのは間違いないと思いますが、最後はやはり、人がやるクオリティーや判断が差を生むと思うので、そこは選手たちに期待したい」(川井 健太監督)。熱戦は必至。あとは歓喜を分かち合うためにゴールを奪い切る質が鳥栖には求められる。
[ 文:杉山 文宣 ]
