直近の5試合は1勝4分の名古屋。勝ち切れないというジレンマがありつつも、首位・神戸や2位・横浜FMと互角に戦い、難しい相手から着実に勝点1を積み上げた。
特に前節は神戸に2点を先行される苦しい展開の中で、73分にキャスパー ユンカーがこぼれ球を押し込んで流れを引き寄せると、最終盤のほぼラストプレーで日本代表の藤井 陽也がミドルシュートを決めて、勝点1をつかみ取った。
ディフェンスリーダーの中谷 進之介は、「キャスパーが点を決めたとき、4万人が入っているスタジアムの雰囲気が表れたと思います。地響きというか、自然と沸き上がってくる歓声は僕らの内側を熱くさせました。簡単に負けられないという思いは全員が持っていましたし、スタジアムが一体となって選手に勇気を与えてくれたのだと思います」と、同点に持ち込めた理由を語る。
ただ、ホームで勝ち切れなかったのも事実。しかも名古屋は明治安田J1第2節・京都戦の勝利を最後に、ホームで4試合連続引き分けと2カ月以上勝利がない。今節で敗れるようなことがあれば、上位直接対決で積み上げた勝点2、そして劇的ゴールで盛り上がった機運が無駄になりかねない。
その中でまず注目したいのは長谷川 健太監督の采配だ。前々節・横浜FM戦は先発に酒井 宣福を使い、前線からの守備意識を高めたこと、神戸戦は一挙に3人を交代したことが奏功した。中2日という体力的にも厳しい中で、古巣対戦となる勝負師がどんなメンバーを組み、どういった戦術で試合に臨むのだろうか。
そして、若手の台頭にも期待したい。今後のシーズンを見据える上で選手層の厚さは必要不可欠。いまの名古屋は決してそれが強みとは言えず、プロ契約したばかりの高校3年生・貴田 遼河やU-20日本代表に選出されている甲田 英將などが目に見える結果を出せば、チームの総合力アップも期待できる。
勝ち切れないまでも好調な名古屋に対し、今季からダニエル ポヤトス監督が指揮を執るG大阪は苦戦が続いている。前節は34 ,517人を集めた“大阪ダービー”で主導権をしっかり握り、押し込む時間帯は多かったものの、90分にカウンターから決勝点を浴びて、無念の敗戦となった。
「私たちはかなりの決定機を作ったが決め切れず、悔しい、悲しい結果になった。しかし90分間、チームはすごく良かったと心から思っている」と、指揮官はチーム作りに手ごたえを感じている。
G大阪はゴールデンウィークで2連敗となってしまったが、3連戦の最終戦でチームを上昇機運に導く勝利を挙げられるか。今回は比較的近距離のアウェイでサポーターも多く遠征に訪れるだろう。その声援に応える結果をつかみたい。
[ 文:斎藤 孝一 ]
