試合ごとに守備の堅さが高まる鹿島は、『Jリーグ30周年記念スペシャルマッチ』となった前節を国立競技場で戦い、名古屋にほとんど決定機を作らせない内容で勝利した。FWの鈴木 優磨と垣田 裕暉がコースを限定しながらサイドに誘導すると、5連勝が始まって以来先発に名を連ねる仲間 隼斗と名古 新太郎(※名古は1試合ベンチスタート)がさらに限定。ボランチやディフェンスラインが守るエリアにボールが届くころには、相手に窮屈な中でのプレーを強いている。ゴール前には高さと強さを誇る植田 直通と関川 郁万が待ち構えており、単調な攻めでは突き崩すのが難しい堅牢さを見せることが、チームに4連敗を払しょくする5連勝をもたらした。
選手たちは自信を深めており、さらに精度を高めることに余念がない。好調を維持しつつ、質を高める努力を練習から積み重ねている。
対するFC東京も前節、国立競技場での『Jリーグ30周年記念スペシャルマッチ』を戦ったチームの1つだ。川崎Fとの“多摩川クラシコ”は、12分に徳元 悠平が目の覚めるようなゴラッソを叩き込むと、25分には安部 柊斗が追加点を奪う。39分に宮代 大聖に1点を返されたのの、52分に川崎Fの脇坂 泰斗が退場処分を受けたことで、数的優位な状況で戦えることに。GK上福元 直人もビルドアップに加わる相手に押し込まれる時間は長くなったが、きっちり1点差を守り、連敗を『2』で止める勝点3を得た。
試合後、アルベル監督はこの勝利を次のように位置づけていた。
「この4年間、川崎Fさんには7連敗していました。その流れの中、彼らから勝利を収めることはとても難しいことでしたし、とても価値のあるものだと思います」 ライバルからひさびさに勝利した勢いを県立カシマサッカースタジアムに持ち込みたい。
昨季、この対戦はいずれもFC東京が勝利している。味の素スタジアムでは序盤から鹿島がチャンスを築き、主導権を握っていたが、その勢いが落ちるとFC東京が反撃を開始。渡邊 凌磨の2得点でリードを奪うと、後半開始早々にディエゴ オリヴェイラもゴールを挙げ、3-1で鹿島に完勝した。県立カシマサッカースタジアムでは終盤に安部 柊斗が決めたゴールが決勝点となり、1-0で勝利を収めた。
鹿島は昨季、FC東京を含め、上位で終えたチームに一度しか勝つことができなかった。選手たちも、そのことを強く認識する。
「去年は上位陣との対決でほとんど敗れていたので、まずはそこのところで勝っていかないと上に行けないなということを感じています」 今後に向けてそう言うのは、ボランチで大きな働きを見せる樋口 雄太だ。
「(前節は)初めての国立だったんですけれど、国立であのような声援を聞けるとは、本当に鳥肌が立ちましたし、選手も『やらなきゃ』という気持ちになった。そういう雰囲気作りを今回のホームでもしっかり作っていただいて、それに僕たちは応えるだけだと思う」 前回は国立競技場でのホーム戦だったが、今回は県立カシマサッカースタジアムでのホーム戦となる。5連勝中、県立カシマサッカースタジアムで勝ったのは明治安田J1第10節・G大阪戦のみ。そのため、樋口は県立カシマサッカースタジアムでの勝利を誓っていた。
[ 文:田中 滋 ]

