まず、柏のビッグニュースとして挙げられるのが監督交代。2009年途中から2014年までの第一次政権、そして2019年からの第二次政権と、長らく柏を率いたネルシーニョ監督の退任が発表された。後任はネルシーニョ氏の下でヘッドコーチを務めていた井原 正巳氏。福岡で4年間指揮を執った経験を持ち、柏で何度か代行監督を務めたこともある。浮上に向け、どのようなアプローチをしていくかに注目だ。
先週、ネルシーニョ前監督が「今季は入りがとにかく悪かった」と振り返ったように、柏は開幕後の6試合で2分4敗と苦しんだ。その後は少しずつ勝点を積み重ねていったものの、前節は最下位に沈んでいた横浜FCに悔しい敗戦。気になるのは攻撃面で、13試合で8得点はリーグワーストの数字だ。細谷 真大やマテウス サヴィオが個で打開してチャンスを作るシーンは散見されるが、チームとして再現性のある攻撃の形を作れていなかった。限られた準備期間ではあるが、攻撃面に何か変化が現れるだろうか。
そして、柏にとって勝負のポイントとなるのは、得点ランクトップの大迫 勇也、4ゴール5アシストを記録する武藤 嘉紀を擁し、リーグ2位の28得点を挙げている神戸の攻撃をどう食い止めるかだろう。CBの古賀 太陽や立田 悠悟を中心にゴール前で粘り強い守りを見せ、2試合ぶりの完封を果たしたい。「切り替えて次に勝つことだけを考えてやらないと、サポーターの皆さんに満足してもらえないと思う。結果で応えてあげられるように、次こそみんなで喜び合えるようにしっかり考え、1週間を過ごしたい」と横浜FC戦後に話していたのは古賀。先週末にホームで味わった悔しさを歓喜へ変えたい。
対する神戸は昨季の明治安田J1で13位と上位争いに絡めなかったが、今季は開幕3連勝とスタートダッシュに成功。直近6試合で複数得点を挙げている攻撃力に加え、ここまでの13試合中8試合で完封を果たすなど、攻守両面で優れたスタッツを残している。2位・横浜FMとの勝点差は『5』離れており、首位を快走中だ。
前節は上位の広島と対戦。「耐えないといけない時間も長くあった」と吉田 孝行監督が振り返ったように、主導権を終始握るゲームではなかったものの、要所で決定的な仕事をこなし、勝点3を手に入れた。不動の右SBとして先発を続けていた酒井 高徳がメンバー外となったが、これまで左SBを務めていた初瀬 亮が右SBで奮闘するなど、チーム力の高さも証明。「終盤に失点してしまって勝利が引き分けになったり、引き分けが負けになってしまったことがあったからこそ、チームとして最後にまとまって、引き締まった試合ができた。チーム全体の『やってやろう』という気持ちが前に出ていたと思う」(初瀬)。勢いそのままに、今季二度目の3連勝を狙う。
[ 文:藤井 匠 ]
