その試合では鳥栖から移籍してきた飯野 七聖が神戸デビューを飾った。右ウイングで出場した飯野は45分の出場にとどまったものの、神戸はアンドレス イニエスタ、汰木 康也、酒井 高徳が連係する左サイドが強みとなっている中で、多くのことを思考したようだ。
「思っていたよりも左サイドに人がたまる印象。僕の強みは内側に入って(プレーする)よりもサイドで張って仕事をするのが形なので、ほかの選手との距離感をすごく気にしてしまった。本来であれば僕が幅を取って仕事をしないといけなかったが、いつもはやっていないことを中でトライしてやってみた」(飯野) 左サイドが主体となるシチュエーションにおいて、どういう行動をとればよりチームとしての機能性が高まるか。神戸の新たな背番号2は短い時間ながら果敢なトライアルを行い、実際、オフサイドにはなったがアンドレス イニエスタから決定的なスルーパスを引き出している。ただ、飯野からは反省の言葉が飛び出した。
「本来であればアンドレスから、(左ウイングの)康也くんがボールをもらって、折り返したところを僕が逆サイドから詰めていく攻撃が理想だと思う。あそこは自分自身のランニングは良かったと思うけど、チーム全体のバランスを考えたときに僕が行く必要はなかったのかなと思いながらやっていました」 それらの経験を踏まえて飯野は、「周りの選手にちょっと声をかけて、『もうちょっと右に寄ってほしい』とか、『こういうときはこうしてほしい』とか、そういう話はしていこうと思っている」と前向きだ。吉田監督が指揮を執って以降、着実に進化の軌跡を描き出している神戸。ケガ人が次々と出る懸念材料はあるが、選手個々がポジティブに自らの力を発揮していこうとする下地は整っている。新たに小林 祐希の獲得も発表され、長く負傷離脱していた藤本 憲明も部分合流までこぎつけた。好ムードを着実に今節につなげていきたいところだ。
神戸と柏はおよそ2週間前に天皇杯ラウンド16で戦ったばかりだが、その際は神戸が2-1で勝利し、8強進出を決めている。柏とすればリベンジの色濃い一戦となるだろう。
その天皇杯での戦いには敗れたものの、柏は4位につけ、安定した戦いを続けている。一時は3連敗を喫するなど不調の時期があったものの、前々節・鳥栖戦、前節・札幌戦と難敵を相手に、前半の早いタイミングで奪ったゴールを最後まで守り切るなど、ネルシーニョ監督が指揮するチームらしい勝負強さが光っている。この中断期間には大南 拓磨と細谷 真大が日本代表デビューを飾っており、チームにとってもポジティブな刺激があった。トップ3追走の一番手に立つ中で、ここで足踏みをするわけにはいかない。
[ 文:小野 慶太 ]
