横浜FCは前節、アウェイで柏に1-0と辛勝ながら、今季2勝目を挙げた。試合を通じて21本のシュートを浴びながらも無失点で耐え、PKで得たワンチャンスをエース・小川 航基が決めて勝ち切った。「チーム全員で守備して1点でも取る。良い内容とは言えないけど、俺らは今年こうやって勝つんだというチームの方向が見えた試合だった」とンドカ ボニフェイスは胸を張った。
明治安田J1第11節・新潟戦から3バックに変更し、3試合で2勝。2勝はどちらもクリーンシートで、「いまはみんなが『とにかく失点をしない』ことを一番に置いている。失点をしなければ勝つチャンスは必ず試合の中で訪れるので、そこを仕留めればいいだけ」と山下 諒也は言う。ただ、ロングボールから攻め込まれて5バックで引いて守る時間が長かった前々節・神戸戦と前節は、攻撃に転じても決定機をほとんど作れていない。
しかも今節は小川 航基とユーリ ララが累積警告により出場停止で、とりわけチーム総得点の6割を決めている小川 航基の不在は痛い。守備に重きを置いた戦いの中で少ないチャンスをモノにするには、チャンスの質を上げることだ。第8節・広島戦での負傷から復帰してきた長谷川 竜也が、古巣を相手にいかに質の高いプレーで貢献できるかにかかってくる。
一方の川崎Fは前節、国立競技場でFC東京に1-2で敗れた。前半に押し込まれて2点のリードを許し、宮代 大聖のゴールで1点を返したものの、後半開始早々に脇坂 泰斗がレッドカードを受けて退場。それでも猛攻をかけて決定機も作ったが、追いつくことはできず、連勝は『3』でストップした。
今節は脇坂に加えてジョアン シミッチも累積警告で出場停止。川崎Fの選手層は厚く、代役候補には大島 僚太、橘田 健人ら実力者がそろうが、瀬古 樹、脇坂、ジョアン シミッチの中盤にして3連勝を飾っていただけに、ダメージがないとはいえない。古巣を相手に瀬古がいかに中盤をまとめられるかがカギを握りそうだ。
長谷川は2016年に川崎Fでプロ入りし、2021年まで6年間プレーした。瀬古は2020年に横浜FCでプロ入りし、同じく2021年まで2年間プレーした。昨季は横浜FCがJ2で戦っていたため、2人にとって初めての古巣戦となる。「むちゃくちゃ楽しみです。すごく試合に出たい」と言う長谷川は、「川崎ではサイドをやっていたけど、ここでは真ん中もやってできることが増えたし、見える景色も変わった。自分がいまの川崎を相手にどれくらいできるかを試したい」と語った。おそらく瀬古も同じ気持ちのはず。勝利に貢献して恩返しするのはどちらになるか、注目だ。
[ 文:芥川 和久 ]
