横浜FCは前節、アウェイで京都に1-2で敗れた。京都のロングボールとそこからのハイプレスに苦しめられたが、守備を固めて前半を耐え、後半の半ばに攻勢に転じて先制した。終盤、パトリックを投入した京都のパワープレーに屈して2失点したことは課題だが、0-0で進めて後半に相手の勢いが落ちてきたところで点を奪う「狙いどおり」(岩武 克弥)の試合運びだった。前々節・浦和戦でも、決定機を作ることはできなかったが、最後の10分は相手を押し込んでのスコアレスドロー。相手が上位であっても、ロングボール主体の苦手なタイプのチームであっても、「どっちに転ぶか分からない試合ができるところまできた」(四方田 修平監督)ことは、開幕から10試合勝てずにいたチームとしては上出来だ。
第11節・新潟戦から3バックに変更し、堅守速攻スタイルで3勝1分4敗と勝点を積み重ねた。そのうち2勝1分が新潟、川崎F、浦和とボール保持率の高いチームだ。今回対戦するG大阪も保持率はリーグ5位。相手がボールをつなぐチームであれば、それだけ堅守速攻は威力を増す。G大阪にボールを握らせ、カウンターの罠にハメたい。
そのG大阪は前節、鹿島に2-1で勝利した。第10節から5連敗で一時は最下位に沈んでいたが、第15節で新潟に勝利すると、そこから4連勝で順位を14位まで上げた。鹿島戦では、前半から狙いとしていた素早いサイドチェンジからの攻撃で2得点を奪い、後半の鹿島の反撃を1点に抑えた。「本当に素晴らしい試合。前半は70%、80%くらい自分たちの試合を完璧にできた」とダニエル ポヤトス監督も手放しで称賛する出来だった。
それだけの試合ができた要因として、ダニエル ポヤトス監督は「どこにスペースがあるのか、選手たちの認識、理解力が増してきた」ことを挙げている。ボールをつなぎ、人数をかけて攻撃することは、同時にボールを失った際にカウンターを受けるリスクも高い。5バックで守りを固める横浜FCに対し、いかにスペースを見つけ、あるいは生み出して攻撃できるかがカギになる。
また、横浜FCは6月28日、小川 航基がオランダ1部リーグのNECへの移籍を前提とした調整に入るため、7月2日をもってチームの活動から離れることを発表した。今節終了後にはファン・サポーターへの挨拶を予定しているという。小川 航基はコンディション不良のため第16節・鳥栖戦を欠場。続く浦和戦では途中出場したものの、そのあとに負傷があったようで、カップ戦とリーグ戦を欠場していた。この試合にも出場する可能性は低い。
昨季、横浜FCに加入した小川 航基はJ2で26ゴールを挙げて得点王と最優秀選手賞に輝き、J1昇格の立役者となった。今季も開幕からエースとして活躍し、チームが苦戦する中で6ゴールを挙げている。ただ、チームが堅守速攻に舵を切ってからはシュートチャンスが少なく、得点はPKでの1点のみとなっていた。
J1に昇格させたことで、小川 航基は横浜FCでの役割を十分に果たしてくれた。このG大阪戦に勝利し、彼がいなくても大丈夫だと伝え、最大級の感謝をもって背番号18を送り出したい。
[ 文:芥川 和久 ]
