豊田スタジアムで行われる明治安田J1第20節はシーズン中盤の大きな山場になった。首位・横浜FMと2位・名古屋の勝点差は『4』。今節、名古屋が勝利しても首位に立つことはできないが、勝点差1と肉薄できる。逆に名古屋が敗れるとなると勝点差は『7』に開き、他チームの動向次第だが、横浜FMが2連覇に向け独走態勢を築く足がかりになるかもしれない。
どうしてもそれに待ったをかけたい名古屋。長谷川 健太監督は「(横浜FMは)優勝するためには倒さないといけない相手だと思っている。われわれの最大値を出したい」と、この試合は勝つことだけにこだわる構え。前回対戦では1-1の引き分けだったが、前半はFWからDFまでコンパクトに保ち、そしてアグレッシブにプレスを掛けることで横浜FMの自由を奪い、完全に主導権を握った。
体力的にもハードなその戦術を再び遂行するかどうかは、ふたを開けてみないと分からないが、間違いなく言えるのは、名古屋はこれまで築き上げてきたすべての力を出す戦いになるということ。逆にそうしなければ王者を打ち負かすことはできない。
注目されるのは、横浜FMの攻撃力と名古屋の守備力のぶつかり合い。名古屋のディフェンスリーダーの1人である中谷 進之介は、トリコロールの攻撃陣は全員脅威としながらも、「本当に一人ひとりが負けないというか、アウェイ(前回対戦)で見せたような戦い方をすれば、相手はイヤがる」と、サッカーのベースである1対1の戦いがより重要だとする。
その中で「先に失点してしまうとどうしても厳しいし、オープンになったら向こうの戦いになる。まずは失点をしないように、逆に先制できれば、自分たちの攻撃陣の速さをより生かせる」と、先制点をキーポイントに挙げた。
名古屋は前節、川崎Fを相手に12年ぶりにシーズンダブルを達成。米本 拓司の出場停止や負傷者など、苦しい状況ながらも連敗は阻止した。その勝利を無駄にしないためにも、今節は絶対に負けるわけにはいかない。もちろん、今季はまだ多くの試合が残っているが、名古屋にとっては13年ぶりのリーグタイトルが獲れるか、獲れないかの大一番である。
一方の横浜FMは6連勝中。前節・湘南戦はその強力な攻撃陣が決定力の違いを見せ、4得点と快勝した。スピードのあるエウベルとヤン マテウスの両ウイングはもちろん警戒しないといけないが、前節で2得点のアンデルソン ロペスに自由を与えると、簡単にゴールを割られる恐れがある。
当然、前線以外でも高い攻撃力を備える選手がそろっていて、総得点はリーグトップの『42』。名古屋とすれば、いかにその攻撃陣をバラバラにさせるかが重要だろう。
絶対に負けられない戦いとなる名古屋に対し、首位に立つ横浜FMは少し余裕があるかもしれない。勝点3でライバルを蹴落とすのがベストだが、難しい相手にアウェイで勝点1になっても及第点か。名古屋の蒸し暑さという目に見えない障害もあるが、破壊力抜群の攻撃サッカーで首位固めといきたいところだ。
[ 文:斎藤 孝一 ]
