アウェイに乗り込むFC東京は、開幕戦で浦和に勝利したものの、思うようにいかないシーズンになっていた。大型連敗を喫するわけではないが、コンスタントに勝星を積み上げることができない。5月以降は派手なスコアが多くなり、大量失点が続いた明治安田J1第15節から今季初の3連敗。12位でシーズンを折り返すと、6月14日にはアルベル監督の退任が発表された。
しかし、新たに就任したピーター クラモフスキー監督がカンフル剤となり、チームは勢いを取り戻している。新体制初戦となった前々節・名古屋戦を2-0で完勝。「インテンシティーが高い厳しいトレーニングができた。それがこの試合に出たと思っている。これを続けて、良いチームになっていきたいと思います」(ディエゴ オリヴェイラ)、「相手のゴールに近い位置でしっかりと奪って、ゴールに結びつけていく練習をしていたので、前からボールを奪いにいく気持ちが前面に出た試合だったと思います」(エンリケ トレヴィザン)と、選手たちも手ごたえを口にした。
続く前節・柏戦にも競り勝ち、ピーター クラモフスキー監督は「(切り替えや守備の強度は)いま改善している、自分たちが良くなってきている部分の1つです。いつも言っているが、大事なのは運動量や、周りに対して献身的に戦うこと」と、選手のハードワークを称えた。一時の停滞を振り払い、シーズンダブルを目指して埼玉スタジアム2002へと乗り込む。
一方、迎え撃つ浦和はやや停滞とも言える状況を打破して、再び好調期に入っている。第16節からは3試合連続の引き分けに終わり、それぞれ無得点、無得点、1得点と攻撃に物足りなさがあった。しかし、直近の2試合は4得点と2得点。鋭さを取り戻した状態でリベンジ戦に臨むことになる。
今季まだ3敗しか喫していない浦和にとって、FC東京は苦い記憶のある数少ない相手だ。前節・鳥栖戦では「同じ相手に2回負けるのはなしだとみんな言っていた」(安居 海渡)とダブル阻止を達成。今節も同様の気概で臨みたい。
そしてもう1つ、浦和にとって負けられない理由がある。この試合に興梠 慎三が出場すると、J1通算500試合を達成するメモリアルマッチになる。
「あっという間で、自分でもそこまで達成できると思ってはいませんでしたが、FWでは初だということで、その記録はうれしく思います。あまりケガをしてこなかったことで記録が伸びたと思っているので、強い体に産んでくれた親にも感謝したいですし、チームメートや監督など、これまで携わってくれたいろいろな人に感謝したいです」 興梠自身は「上位に食らいつくためにも勝点3が必要なので、自分がどうこうというよりは、まずはチームが勝てるように」とマイペースを貫くが、やはり勝利で飾りたい。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
