リーグ戦再開以降4戦無敗。浦和の状態は好転してきているのかもしれない。確かに、シーズン前半戦にも8戦無敗の期間があったが、そのときは1勝7分。押し気味に試合を進めながら得点を奪えない、勝ち切れない、もどかしい期間だった。
再開後も2勝2分と、順位表の状況を見れば必ずしも好ましいものではないが、試合の経過を見れば勝点が半分になっていてもおかしくなかった。チームのパフォーマンスはいまだ十分とは言い難いが、個の力の発揮も含め、勝負強さのようなものは高まってきている感がある。
そして前節・京都戦がこれまでの試合と最も異なっていたのは、明確に“決定力”を問われる段階の試合だったことだ。これまでの浦和は、相手よりも多くボールを保持して攻撃回数でも上回っていたが、「あとは決めるだけだった」という決定的なチャンスが多かったというと、必ずしもそうではなかった。決定力以前の問題だったところが、京都のスタイルとのかみ合わせがあったにせよ、この試合はラストワンタッチだけが足りなかった。最後の崩しが課題なのと、フィニッシュが課題なのは大きな違いだ。
ただ、リカルド ロドリゲス監督はやはり満足していない。チームは良い状態になりつつあるのではないか、という質問にもどん欲な回答を出した。
「大差で勝たなければいけない試合でした。何かを目指すチームは、好調なときは大差をつけて勝つ、きっ抗した試合も自分たちのモノにする。そして内容が悪くても、最悪でも引き分けに持ち込む。タイトルが欲しいなら、そういう結果を残さなければいけません」 そしてもう一方、新たにスペイン国籍指揮官を招いたFC東京。開幕戦にこそ敗れたものの、その後3連勝と、シーズンのスタートは悪くないものだった。昨季序盤、勝点の積み重ねに苦労した浦和とは対照的だ。
ただ、それに内容が伴っているかというと少し疑問もある。新スタイルで最も期待されたであろう後方からの組み立てはなかなかブレイクスルーの兆しを見せず、主な得点源は昨季までと同様の個を生かしたカウンターアタック。
「昨季までこのクラブで展開していたものと今季、求めているものは違います。その変化に適応するというのは必ずしも簡単なものではありません」 0-5で敗れた明治安田J1第18節・鳥栖戦後にアルベル監督はそう語ったが、時にこうした大敗や連敗を喫しながらも、上位を狙える位置につけているのはクラブの力でもある。今後どう折り合いをつけながら、結果を残しながら改革を進めていくのか。先に変革を志した浦和との再戦は現在地や今後の方向性を確認する一戦になるかもしれない。
それはそれとして、浦和は得意としていたはずのホーム戦で過去3年、FC東京から勝星を挙げられていない。かつての“埼スタ不敗神話”を取り戻すためにも、ホーム勝利で3連戦を締めくくりたい。
[ 文:沖永 雄一郎 ]
