リーグ戦では苦悩の日々が続きながらも、直近6試合は5勝1分とV字回復ぶりを見せているG大阪と対照的に、柏は約2カ月近くリーグ戦で勝利がなく現在16位。厳しいチーム状態が続いている。
「この勝ちは本当にデカい」。いつもはクールな山本 悠樹が前節・京都戦後にチームの総意をこう語った。
目指すスタイルで勝ち切ったとは言い難いが、好調のキーマンの1人・福岡 将太を出場停止で欠きながらも、守備陣が奮闘。復調傾向にあるチームの数少ない課題だった後半のギア上げにも、途中出場の食野亮太郎が貢献し、タフな京都を1-0で振り切った。
13位に浮上し、残留争いの危機からは抜け出した感もあるが、チームに緩む気配は一切ない。「順位はもちろん気にしますけど、一つひとつ勝って順位を上げていくことをいま意識している。先を見ずに戦えていることで、結果も出ている」と黒川 圭介は話す。
直近6試合で負け知らずの要因の1つが、守備陣の踏ん張りにある。2試合連続でクリーンシートを果たし、三浦 弦太は「最後のところで体を張ることはディフェンスにとって絶対に必要なところ。それが僕だけでなく、チーム全員ができた」とチームの守備意識の高さに自信を口にする。シーズン序盤と異なり、ボールをつなぐ場面とシンプルにロングボールを蹴る局面の使い分けは、チーム全体に浸透しつつある。
黒川は柏に対して、 「リーグ戦で最近勝てていない柏だけど、間違いなく全力で僕らを食いにかかってくると思う」と警戒感を口にする。G大阪は天皇杯2回戦で敗退したこともあり、柏戦を見据えて万全の状態で調整を続けている。
開幕戦では不在だったイッサム ジェバリと、ベンチスタートだったネタ ラヴィも練習ではキレのある動きを披露。イッサム ジェバリに対しては当然マークも厳しくなるが、対戦相手に応じたボールの動かし方を求めるダニエル ポヤトス監督だけに、柏攻略のイメージはチーム全体で共有するはずだ。
一方の柏は前節・湘南戦を1-1で終えたが、12日に行われた天皇杯3回戦で徳島に2-0で快勝。中3日で、猛暑が続く大阪に乗り込んでくる。湘南戦でも割り切った現実的な戦い方を採用した井原 正巳監督ではあるが、湘南戦で退場処分を受けた立田 悠悟が出場停止となり、天皇杯3回戦では田中 隼人が脳震盪の疑いで途中交代。最終ラインには不安を抱えている。
ただ、柏には確かなストロングポイントも存在する。湘南戦で初先発した左SBジエゴとマテウス サヴィオを擁する左サイドは確固たる強みだ。
マッチアップが予想される半田 陸は「外国籍選手は苦手じゃないので楽しみ」と自信を見せるが、U-22日本代表の僚友でもある細谷 真大を警戒する。チーム最多の6得点を決めている細谷については「スピードもあるし、体も強くてスペースを与えたら何でもできる選手」と半田。好調のG大阪に対して、細谷のパフォーマンスも試合の行方を左右しそうだ。
[ 文:下薗 昌記 ]
